HKT48/STU48指原莉乃の3連覇に、AKB48渡辺麻友の卒業発表、そしてNMB48須藤凜々花の結婚宣言…。

 まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、AKB48の第9回選抜総選挙から1カ月がたち、一人一人の結果を冷静に分析できるようになってきた。この1年、間近で頑張りを見てきたメンバーたちだから、それぞれに思い入れはあるが、その中でもどうしても報われてほしかったメンバーがいた。

 SKE48大場美奈(25)は今年、初めて総選挙での選抜を狙ったが、26位に終わった。昨年は22位だったから、4ランク下げたことになる。「本気で選抜メンバー用のスピーチを考えてました」と明かしたが、壇上で披露することはできなかった。

 時おり毒を吐くこともあるが、どこかホワッと抜けたところもあり、何とも憎めないキャラクターだ。14年にAKB48から移籍し、今はチームK2のリーダーを務めている。そんな大場にとって、この1年は地味ながら大きな活躍を見せた年だった。

 アルバム「革命の丘」発売前から、ポスターなどを全国のCD店に持参してPR活動を行った。関東圏をはじめ、広島や神戸まで、約1カ月で全国28店舗を回った。「じっとしていられないたちなんです」と照れるが、移籍組にもかかわらず、グループにとって4年半ぶりのアルバムがどれほど重要な意味を持つか、誰よりも分かっていた。

 「アイドルはお人形さん。与えられた仕事を笑顔でこなせばいい」と言われた時代は終わり、今やアイドルだってプロデュースやPRに奔走するようになった。48グループでは、その最たる例が大場であり、同じ年長メンバーの松村香織、高柳明音たちだ。イベントがあれば、スタッフたちと真剣に話し合い、意見を出すようになった。「監督兼選手」とまでいかなくても、「スタッフ兼選手」のような立ち回りだった。

 選挙から2週間がたったころ、大場はアルバム発売時と同じように「草の根活動」を再開した。今月19日発売のSKE48シングル「意外にマンゴー」のPR活動で、マンゴーの名産地でもある宮崎県を積極的に訪れている。ファンは地道な努力をしっかり見ていてくれている。大場が来年、立候補するかどうかは分からないが、次があるなら、今度こそ報われてほしいと願っている。