血染めのウエディングドレス姿の女性が大邸宅の正面に倒れている。まぶたが動き、覚醒した女性は歩き出す。エイミー・ワインハウスの「You Know I,m No Good」が流れる。ちょっとなげやりで、パワーにあふれたこの曲が、足取りが少しずつ確かになる女性の不屈の闘志に重なって聞こえる。前作の余韻を思い出し、いきなりグッとくる幕開けだ。
7年前の「レディ・オア・ノット」は典型的なゴア映画-べっとりとした血液を表現するゴア(Gore)から近年はこのジャンルをそう呼ぶそうだ-だったが、富裕層の特権意識に対するシニカルな視点が随所にのぞき、痛快だった。
富豪に嫁いだヒロインは、結婚初夜のその日、彼女を標的にしたデスゲームに強制参加させられる。新郎一族から獲物として命を狙われる狂気のゲーム。サマラ・ウィーヴィングふんするヒロインは上から目線の一族を次々に返り討ちにし、ブラックユーモアをまき散らかした。
続編の「-2」(8月14日公開)は、悪夢の夜を生き抜いたその朝から始まる。病院に運ばれたグレース(ウィーヴィング)は長年疎遠になっていた妹フェイス(キャスリン・ニュートン)と再会する。その頃、グレースが壊滅させた新郎一族ル・ドマス家もその一翼を担っていた「ル・ベイル財団」が動き始めていた。悪魔と契約を交わし、世界を裏から支配しているこの財団は、グレースの勝利によって発動したおきてに従い、新たなゲームを始めようとしていた。残った4名家が集って再びデスゲームを行い、グレースの命を奪った者が財団主席の地位を得るというものだ。
妹フェイスも巻き込んで、4家筆頭のダンフォース家の大邸宅に拉致されたグレースは再び狩られる立場に追い込まれる。今回も人並み外れた「サバイバル力」を発揮するが…。
4名家は英国の王道系、虚勢を張りがちなインド系、テンション高めの米国系、野望にあふれたスペイン系、駆け引きにたけた中国系と、いかにも的なイヤ~な感じがそれぞれの特権意識からにじみ出る。使う武器も笑ってしまうくらい誇張されているので、ゴアは苦手という方でも笑って見過ごせるかもしれない。
前作で一躍注目されたマット・ペティネッリ=オルビンとタイラー・ジレットの共同監督が、今回もぶっ飛んだ題材に生真面目に取り組んでいる。衣装の色合いが4名家や個々のカラーをきっちり表現するなど、気配りが行き届いている。
多様な作品で活躍するウィーヴィングは、今回もホラークイーンの枠に納まらない個性を光らせている。技巧派ぞろいのキャストは、誰もが作品世界を楽しみながら演じているように見える。中でも財団専任弁護士役のイライジャ・ウッドの人を食った感じがとっても良かった。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)




