「ゴジラ-0.0」(11月3日公開)をIMAXで見た。

冒頭からいきなり「新怪獣」が登場し、疾走感はハンパない。この怪獣の正体はまさかあの…。上下に広いIMAXの画角を生かし、迫力映像を巧みに切り取る山崎貴監督の手腕で、フレームの外に広がる惨状も想像できる。あれよあれよと最終盤の世紀の対決に至る成り行きに、ただただ目を見張る2時間15分だった。

戦争によって無=0.0となった日本をゴジラがマイナスにたたき落とした前作から2年。幻の戦闘機「震電」を操り、ゴジラ撃退に貢献した元特攻隊員の敷島(神木隆之介)は、奇跡的に命をとりとめた典子(浜辺美波)、そして一人娘とともにつましく暮らしている。家族のようだった隣人(安藤サクラ)は戦災孤児を預かる施設を営み、平穏な日常が戻りつつある。

が、そこに新怪獣出現のニュース。前作では、海軍工廠(こうしょう)の元開発者としてゴジラ対策のアイデアを次々に繰り出した野田(吉岡秀隆)が、官僚として指揮を執ることになる。彼の元には気象予報に天賦の才を発揮する技官、青山(長澤まさみ)がいる。通常兵器では歯が立たない怪獣への対抗策として、彼女が今作のキーマンとなる。

新怪獣出現の現場にも居合わせた生物学者、村上(田中泯)や、戦後の特殊任務を負ってきた艇長(佐々木蔵之介)と前作おなじみの顔触れが集い、敷島も再び操縦かんを握ることになる。そして、真打ちゴジラの登場で、2大怪獣を倒すための究極の作戦が発動するが…。

ゴジラ襲来の惨禍から典子が奇跡の生還を遂げた理由とは、広島で被爆した村上の真の目的とは-元特攻隊員の敷島も合わせ、「生き残った」者たちの思いが今回も軸になっている。

興趣をそがないために詳述は避けるが、「ゴジラ」オリジナルシリーズからすくい上げたさまざまな要素が巧みにアレンジされ、何度もうならされる。思わず膝を打つ。

戦後の街並みや航空機の質感は山崎VFXだから間違いない。背中のギザギザは前作からさらにパワーアップ。ハリウッドゴジラよこれを見ろ、という「原産国」の誇りを感じる。

次が見たくなる幕切れだ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)