「アベンジャーズ」シリーズの最終章となる「アベンジャーズ/エンドゲーム」が、4月26日に公開され、空前の大ヒットとなっています。オープニング世界興行収入は、当初の予想をはるかに上回る12億ドルを稼ぎ出す驚異的な数字で前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の6億4000万ドルを倍近く上回っての記録更新となりました。マーベル・コミックのキャラクターが活躍するスーパーヒーロー映画として「アイアンマン」(08年)からスタートしたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)は今作で一区切りとなりますが、新たなフェイズとして今後もまだまだ続いていきます。これからのMCUの動きはどうなっているのでしょう。

次に公開を控えているのが、MCUのフェイズ3の締めくくりとなる「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」です。「スパイダーマン:ホームカミング」(17年)の続編で、前作から引き続きトム・ホランドがスパイダーマンことピーター・パーカー役を演じます。「アベンジャーズ/エンドゲーム」が終わったすぐあとから物語は始まるのではないかともいわれていますが、ファン待望のその全貌は今年7月に劇場で明らかにされます。

フェイズ4の最初の作品として来年5月に公開を予定しているのは、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの単独作品となる「ブラック・ウィドウ」。こちらは「アイアンマン」より数年前の2005年から06年頃が舞台になるといわれており、「アベンジャーズ」シリーズでも活躍してきたブラック・ウィドウがいかにしてスパイとして育てられてスーパーヒーローとなったのかが描かれるものとみられています。その後11月に公開されると伝えられているのが、「エターナルズ」です。原作は100万年前の地球が舞台で、宇宙の原始的存在であるセレスティアルズが類人猿の遺伝子操作実験を行った過程で誕生した3つの超人種族の物語。まだ詳細はベールに包まれていますが、今秋にも撮影が開始されるものとみられています。

そして2021年には今年のアカデミー賞でアメコミ作品として史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げた「ブラックパンサー」の続編やベネディクト・カンバーバッチ主演で2016年に公開された「ドクター・ストレンジ」の続編も公開が控えている他、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ第3弾もようやくディズニーに解雇されたジェームズ・ガン監督が電撃復帰したことで企画が動き出すとみられています。また、シリーズ初のアジア人がヒーローとなる「シャン・チー」も製作されることが決まっており、10年で一区切りとなったMCUですが今後もまだまだ続いていきそうです。

ちなみに今作を最後に卒業する面々の今後についても紹介しますと、ソーを演じたクリス・ヘムズワースは、来月公開される「メン・イン・ブラック」シリーズをリブートする「メン・イン・ブラック:インターナショナル」に出演しており、すぐにその姿をスクリーンで見ることができます。キャプテン・アメリカを引退したクリス・エバンスは、今秋に犯罪映画「ナイブズ・アウト」の公開を控えていますし、アイアンマン役のダウニー・Jrは児童書「ドリトル先生」シリーズを実写化する「ザ・ボヤージ・オブ・ドクター・ドリトル」(20年公開予定)でドリトル先生を演じることが決まっている他、21年には名探偵シャーロック・ホームズを演じる「シャーロック・ホームズ3」も製作されます。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)