初めて見た本格的なミュージカルは森繁久弥さん主演の「屋根の上のヴァイオリン弾き」だった。78年の帝国劇場で、座席は料金が1番安い2階席最後方だったけれど、その時の感動は今も覚えている。確か、1000円代だったと思う。
今、歌舞伎、ミュージカルのチケットは高いという声を聞く。4月の歌舞伎座の1等席なら1万7000円、ミュージカルも4月の帝劇「1789」のS席なら1万3000円もする。しかし、その一方で、安いチケットもある。歌舞伎座は3階B席で4000円だし、6月の3部制公演では観劇時間は短くなるものの3000円とさらに安くなり、帝劇でもB席なら4000円で見ることが出来る。劇団四季なら、ロングラン中の「ライオンキング」もC席が3000円で、学割を利用すれば、「ライオンキング」が2500円、上演中の「ウェストサイド物語」は2000円と、映画料金並みで鑑賞できる。
もちろん、舞台から遠かったり、前傾姿勢を余儀なくされるケースもあるが、舞台そのものは十分に楽しめる。私もニューヨークに行ったら、メトロポリタンオペラハウスに行き、バルコニー席の安いチケットを買ってよく見る。そこにはオペラ好きの中高年のニューヨーカーがいて、肩ひじ張らずにいられて、なんとも居心地が良かった。安い席は席数が限られていて、人気公演だとすぐ売れてしまうけれど、是非チャレンジしてほしいと思う。【林尚之】




