ミュージカル「キンキーブーツ」を見て驚いた。ドラァククイーン(派手な女装家)のローラを演じた三浦春馬が予想以上の好演だったからだ。
三浦は地球ゴージャスや劇団☆新感線の公演、大竹しのぶと共演したテネシー・ウイリアムス原作「地獄のオルフェ」などで舞台を経験している。私も見ているが、それほど強い印象は受けなかった。だから、今回もそれほど期待しなかったし、正直言うと、三浦にとってブロードウェー・ミュージカルは初挑戦だったから、大丈夫なのかと心配したほどだった。しかし、杞憂(きゆう)だった。
舞台上の春馬は女装っぷりも大胆で迫力があり、高いヒールを履いてのダンス、歌、演技も他を圧倒するオーラがあった。もともと、ブロードウェーで見て、本人がローラ役を希望したそうだが、その思い入れの強さは、吹っ切れた女装っぷりに現れていた。春馬というと、線の細いイメージだったけれど、今回の舞台では二の腕もっこりの筋肉質の迫力あるローラを造形していた。歌もシンディ・ローパーが作曲した楽曲を軽々と歌い上げて、意外だった。小池徹平、ソニンも共演していたが、春馬はひときわ輝いて見えた。
毎月、かなりの本数の舞台を見ているけれど、時として、こういう拾い物もある。だから、がっかりすることも多いけれど、観劇はやめられない。【林尚之】



