ミュージカル「レ・ミゼラブル」会見に出席した新キャストたち(2018年10月10日撮影)
ミュージカル「レ・ミゼラブル」会見に出席した新キャストたち(2018年10月10日撮影)

上演回数3000回を超える人気ミュージカル「レ・ミゼラブル」(来年4月19日~5月28日、東京・帝国劇場)の会見がこのほど、都内で行われた。新キャストのジャン・バルジャン役の佐藤隆紀、ジャベール役の伊礼彼方、ファンテーヌ役の浜田めぐみ、テナルディエ役のトレンディエンジェル斎藤司らが登場した。

テナルディエ役はキャラクターに重きをおいて選抜されるケースが多く、過去にもミュージカル落語を得意としていた落語家の三遊亭亜郎が出演している。オーディションを経て、出演が決まった斎藤は「大先輩に囲まれて非常に緊張して、歯が痛いくらいです。足を引っ張らないように、すでに役作りも始めていて、街で足を引っかけたりとか、物を盗り始めたりとかしてます」と笑いを誘いながら、「僕もミュージカルは、いつかやってみたいと、皆さんのような崇高な目的とはちょっと違うのですが、『仕事が自分を成長させてくれる』と常々思ってまして。僕にとっては責任重大で、今の自分には見合ってないとは分かっていますが、きっと成長させてくれるはずだと、当たって砕けろで受けました」と神妙に話した。

劇団四季出身で、数多くのミュージカルに主演している浜田も今回が初出演となる。「私を含めて、100%の方が『えっ、まさか浜めぐが』と驚かれているかと思います。自分と向き合った時、自分が死んで天国に行く時に後悔したくないと思いました。いろいろな葛藤や思いめぐらせることもありましたが、最後のチャンスでいいからと、受けさせてもらいました。自分の転換期になる作品だと思っています」と並々ならぬ決意を秘めての出演となる。

日本では87年の初演だが、会見では初演後に生まれた若手の3人も出席した。エポニーヌ役の屋比久知奈は琉球大2年生。ミュージカル2作目で、大役を獲得した。マリウス役の三浦宏規は「テニスの王子様」などで力をつけてきた20歳の若手。「レ・ミゼラブル」史上最年少マリウスともなる。コゼット役の熊谷彩香は来春に高校を卒業する予定。3歳の頃に父親の勤務地だった英国で初めて見て以来、あこがれの舞台だった。

初演から32年目となる来年は東京公演後、名古屋、大阪、福岡、札幌と全国ツアーを行う。これまで何十回も見ているが、そのたびに新しい発見と感動がある。新しいキャストも参加した「レ・ミゼラブル」との再会を今から楽しみにしている。

【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)