舞台雑話

長女麗禾ちゃん襲名披露で見た良き“パパ”の海老蔵

市川海老蔵の長女堀越麗禾ちゃん(7)が、8月の日本舞踊市川流の「市川會 三代襲名披露公演」(3~12日、東京・渋谷のシアターコクーン)で4代目市川ぼたんを襲名します。先日、海老蔵の叔母の2代目市川紅梅(70)の初代壽紅、妹の3代目市川ぼたん(39)の4代目市川翠扇の襲名とともに。3代襲名の発表会見が行われました。

照れて言葉に迷う長女麗禾ちゃん(左)に耳を傾ける市川海老蔵(2019年5月12日撮影)
照れて言葉に迷う長女麗禾ちゃん(左)に耳を傾ける市川海老蔵(2019年5月12日撮影)

市川流は9代目市川團十郎が創設した日本舞踊の流派で、現在は紅梅が総代、ぼたんが補佐を務めています。3代襲名披露の「市川會」では、壽紅、翠扇、海老蔵の「寿式三番叟」に始まり、「口上」、堀越勸玄くんの「玉兔」、ぼたんの「羽根の禿」、翠扇の「京鹿子娘道成寺」が予定され、「京鹿子」では海老蔵も共演する予定です。

今回の襲名は1年前から決まっていたそうですが、麗禾ちゃんの市川ぼたん襲名には、海老蔵の娘への思いやりを感じます。というのも、3代目が襲名したのは06年で、26歳の時でした。それと比べて、わずか7歳での襲名は、日本舞踊の世界でも異例な早さと言えるでしょう。

歌舞伎の家では、男の子は歌舞伎俳優の道を歩むことが運命づけられ、勸玄くんも初お目見えを経て、来年には父の13代目市川團十郎白猿襲名とともに7代目市川新之助を襲名し、初舞台を踏みます。男の子は小さいころから注目されるのに引き替え、女の子は、なかなか日の当たる場所に出ることはありません。尾上菊五郎の長女で女優の寺島しのぶは、弟の尾上菊之助が幼いころから御曹司として王道を進む姿に、複雑な思いを抱えていたことを明かしています。

麗禾ちゃんと勸玄くんは、海老蔵の舞台に一緒に出演するなど、仲のいい姉弟です。しかし、来年の親子襲名に向けて勸玄くんは今まで以上に注目され、華やかな場所に出ることが増えていきます。それに対し、歌舞伎の襲名公演で麗禾ちゃんの出番はあまりないでしょう。小林麻央さんが亡くなった後、何ごとにも親子3人でやってきた中で、麗禾ちゃんだけが寂しい思いをすることもあるかもしれません。

そんな麗禾ちゃんにとって、8月の「市川會」は晴れの場になります。会見でも「うれしい」「緊張しません」と笑顔がいっぱいでした。海老蔵も「来年襲名を控えていますが、こちらの襲名の方がうれしく感じます」と話しました。翌朝にテレビの情報番組で会見の様子が放送されると、海老蔵は「もう泣いちゃう」と号泣したことをブログで明かしました。本当に子煩悩の良き「パパ」である海老蔵です。【林尚之】

(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

華やかな舞台、輝く役者。夢の世界であると同時に、そこには舞台裏とさまざまな人間模様もあります。演劇、演芸について、林尚之記者がさまざまな切り口から伝えます。あなたも、演劇の世界がきっと好きになります。

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