坂道シリーズの連載「坂道の火曜日」、今週は担当記者のコラムです。乃木坂46堀未央奈(22)の初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」が28日から公開。メガホンをとった山戸結希監督との特別な関係に迫ります。

初主演映画の舞台あいさつに出席した堀未央奈(左から5人目)。左から山戸結希監督、吉岡里帆、板垣瑞生、清水尋也、1人おいて間宮祥太朗、桜田ひより、上村海成
初主演映画の舞台あいさつに出席した堀未央奈(左から5人目)。左から山戸結希監督、吉岡里帆、板垣瑞生、清水尋也、1人おいて間宮祥太朗、桜田ひより、上村海成

今月12日に都内で行われた完成披露舞台あいさつで、山戸監督から「この作品を初主演の彼女に演じていただけて、堀未央奈さん以外あり得なかったな、というくらい輝いていてくださいました」と絶賛された堀は、「ありがとうございます」と控えめに喜んだ。その上で「撮影前に監督とたくさんお話しさせていただきました。女の子の最前線で戦ってくださっている強い方です」と信頼を口にした。

映画の撮影に臨む堀未央奈(中央)と山戸結希監督(中央奥)
映画の撮影に臨む堀未央奈(中央)と山戸結希監督(中央奥)

2人の出会いは、16年3月の乃木坂46シングル「ハルジオンが咲く頃」のミュージックビデオ(MV)撮影にさかのぼる。西野七瀬(25)のソロ曲「ごめんね ずっと…」のMVや山戸監督の才能を高く評価した乃木坂46の制作サイドが、シングル表題曲のMV監督という大役に起用した。山戸監督は堀のみずみずしい存在感にひかれ、最後列ポジションだった堀にMV内では重要な役割を任せた。

堀は13年3月に2期生として加入。同年11月発売のシングル「バレッタ」でいきなりセンターに抜てきされ、選抜の常連メンバーとなった。だが、15年7月のシングル「太陽ノック」から2作連続で選抜漏れを経験。「ハルジオンが咲く頃」は、約1年ぶりの選抜復帰作だった。MV撮影時、人一倍神経をとぎすませた。関係者は「山戸監督は、カメラを前にした堀さんのパワーを目の当たりにして、一気に引き込まれたようです」と明かす。複数のタイミングがうまく合致した、運命の出会いだった。

初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」の撮影に臨む堀未央奈(右)と山戸結希監督(中央)
初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」の撮影に臨む堀未央奈(右)と山戸結希監督(中央)

撮影にはとことんこだわり抜く山戸監督は、同じシーンを何度も時間をかけて撮影することも多い。当然、映画初出演初主演の堀にとって「ホットギミック」は楽な現場ではなかったが、山戸監督は「私は映画界でも最もしつこい撮影をする人で、私の現場は最も過酷な部類に入ると言われているようですが、キャストの皆さんがそれでも頑張ってくださったおかげで、妥協や侮りが一切ない作品になりました」と感謝した。

12日、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」完成披露舞台あいさつに登場した、左から山戸結希監督、間宮祥太朗、堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生
12日、映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」完成披露舞台あいさつに登場した、左から山戸結希監督、間宮祥太朗、堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生

こうして仕上がった同作では、正統派アイドルという言葉だけでは表せない、堀の奥深い魅力が引き出されている。清水尋也(20)板垣瑞生(18)間宮祥太朗(26)演じる3人の男性に対し、純朴な透明感だけでなく、無自覚な“魔性”の一面ものぞかせる。

13年にアイドル界に足を踏み入れた堀と、上智大学在学中の12年にデビューした山戸監督。新世代の2人が、映画界に新たな風を吹かせる。【横山慧】

初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」で、板垣瑞生(左)清水尋也(同2人目)間宮祥太朗(右)と共演した堀未央奈(左から3人目)
初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」で、板垣瑞生(左)清水尋也(同2人目)間宮祥太朗(右)と共演した堀未央奈(左から3人目)

◆「ホットギミック ガールミーツボーイ」 相原実貴氏が05年まで「Betsucomi」(現「ベツコミ」)に連載し、単行本累計450万部以上を販売したコミックが原作。堀は3人の男性から思いを寄せられる女子高生を演じる。桜田ひより、上村海成、吉岡里帆、反町隆史らが出演。

(6月18日付紙面に掲載したものです)