男役として新人公演に主演しながら娘役に転向した異色の経歴を持つ、宝塚歌劇団雪組娘役の大湖(だいご)せしるが5日、宝塚最後の公演となる「浪漫活劇 るろうに剣心」の初日に臨んだ。

 大湖は元会津藩御典医の娘で、事件に巻き込まれる美人女医の高荷恵(たかに・めぐみ)役。トップ早霧せいなが演じる剣心とともに、事件の解決に向かう重要な役どころを演じた。トップ娘役の咲妃(さきひ)みゆと“早霧剣心”を奪い合う場面も熱演した。

 大湖は02年入団の88期生。男役として入団し、同期には宙組トップの朝夏(あさか)まなと、星組2番手スターの紅ゆずるらがいる。08年「マリポーサの花」新人公演に初主演した。

 11年目だった12年5月、男役10年の区切りを終え「新たに進化したい」として娘役に転身した。新人公演に主演した男役が娘役に転向するケースは極めて珍しく、話題を呼んだ。

 娘役転向後は男役時代の経験を生かし、色気のある大人の女性もこなした。昨年1月の「ミュージカル ルパン三世」では、峰不二子を演じて好評を得た。

 大湖は今公演の東京宝塚劇場千秋楽にあたる5月8日をもって、劇団生活に別れを告げる。同じく5月8日付で、蓮城(れんじょう)まこと、央雅光希(おうが・みつき)、妃桜(ひざくら)ほのり、璃央(りおう)じゅんも退団する。