俳優吉田栄作(48)が1日、大阪市内で、再々演が決まった主演舞台「ローマの休日」の取材会を開き、「今回が最後」の気持ちで臨む覚悟を語った。

 名作映画を舞台化し、10年に初演。12年の再演に続き、5年ぶり3回目の上演で、吉田は「おそらくこれが最後のローマの休日になるんじゃないか。最後になってもいいように、けいこの段階からしっかりとやりたい」と話した。

 今回は、初演時と同じキャスト。相手役のアン王女は元宝塚歌劇団雪組トップスター朝海ひかる、相棒のカメラマン役は小倉久寛が演じる。吉田によると、10年の初演当時に、小倉の所属事務所社長から「吉田君、これは君の40代の仕事にしたらいいよ」と言われたといい、初演時が41歳。3回目で48歳を迎えたことから「最後」の思いを強めたという。

 「それに、お姫様抱っこも、けっこうキツイんですよね。映画だと1回(の撮影)ですけど、舞台はけいこも含めて、毎回ありますから。もちろん備えて鍛えてますけどね。今から」

 もちろん「それだけが(最後の)理由じゃないですよ」と笑いながら、覚悟のほどを示した。

 というのも、もともと、吉田は原作映画、グレゴリー・ペックの大ファン。新聞記者・ジョーの役柄にも「長いものにまかれない。損をしても、生き方を曲げないって、男として最高にかっこいい」とほれ込んでいる。それだけの思いを込めて演じるだけに「最後かも」と言いながらも「でも、『まだ(同作を)辞めないで』ってコールが起こるなら、一考したいし、その可能性があるなら、誰にも(役柄を)譲りたくない」と話していた。

 公演は7月26~27日にシアター・ドラマシティ(大阪市北区)、7月30日~8月6日に東京・世田谷パブリックシアターで開催される。