松坂桃李、樹木さんの思い出/日刊スポーツ映画大賞

<日刊スポーツ映画大賞授賞式:主演男優賞・松坂桃李(「娼年」「不能犯」)>◇28日◇ホテルニューオータニ

「娼年」「不能犯」の2作品で主演男優賞に輝いた松坂桃李(30)は、12年に「ツナグ」(平川雄一朗監督)と「麒麟の翼」(土井裕泰監督)で石原裕次郎新人賞を受賞した際、「ツナグ」で共演して、助演女優賞を受賞した故樹木希林さん(享年75)からかけられた言葉、エピソードを感慨深げに明かした。

松坂 樹木希林さんに「こんな若い時に、賞を受賞して」と言われて、背筋が伸びた。賞金があるじゃないですか…100万円。いただいた時に、樹木さんが席に戻ったら「どれくらい? 良かったわね、あんた」とうれしそうな、あの表情が忘れられない。

松坂は「娼年」(三浦大輔監督)で生活や女性との関係に退屈する中、バイト先のバーで、会員制ボーイズクラブを手掛ける御堂静香(真飛聖)と出会い、娼夫のリョウとして仕事をする名門大学生の領を演じた。16年に舞台でも演じ、演出を務めた三浦監督からオファーを受けて出演を決めた。「30代になる…いろいろな役を今後やっていくために、20代のうちにチャレンジしておかなければと思った。ヒーヒー言いながら2人で…大変でしたね」と、三浦監督との映画作りを振り返った。

「不能犯」(白石晃士監督)では、殺したい相手と理由を伝えると願いをかなえる一方、見つめるだけで対象者を死に追いやるため罪には問われない不能犯・宇相吹正を演じた。今回の主演男優賞受賞にあたり「まさか自分が、という思いが本当にありまして。マネジャーからお知らせを聞いた時、何のドッキリかと思いました。僕は今年で30になり、仕事をやらせていただいてから10年…自分にとっての節目でいただけるのはうれしい限りで、こんなにうれしいことはない」と喜んだ。

その上で「石原裕次郎新人賞をいただいた時のコメントを言おうかなと」と口にしてスピーチした。

松坂 僕の力では全くない。大したものではない。皆さんの力で、ここに立てているわけで、10年…事務所に育てられ、いろいろな現場で、いろいろな方々の言葉、懐で育てられた10年。松坂、もっと頑張れよという身辺の方の激励として受け取りたいと思います。

そして、爽快な笑みを浮かべた。