活躍中の子役、新津ちせ(9)主演の映画「駅までの道をおしえて」(橋本直樹監督、10月18日公開)に、「沈黙-サイレンス-」などで知られる笈田ヨシ(85)が出演し、世代を超えた友情物語を76歳差で演じることが23日、分かった。

伊集院静氏の原作で、愛犬の死を受け入れられない少女が、幼い息子を亡くした経験を持つ老人と出会い、心を通わせる物語。作品同様、年齢を超え信頼を寄せ合った撮影となり、2人とも大の犬好きとあって、撮影で一緒だった犬も距離を縮めてくれた。

新津は「笈田さんは犬を優しくなでながらお話ししてくださることが多かったです。『本当に賢い犬だね』『ここをなでると、とても気持ち良さそうだね』。笈田さんとお話ししていると気持ちが落ち着きました」と振り返った。

新海誠監督を父に、女優を母に持つ新津を、笈田は「聡明(そうめい)で、美人で、演技も親の影響を、俳優の血を引いて、すばらしく、とても頑張っていた」と褒め「人間と人間との関係を表現するから、歳で演技するわけではない」と、年齢差も感じなかったとした。

ほか坂井真紀、滝藤賢、マキタスポーツ、羽田美智子、市毛良枝、塩見三省、柄本明、余貴美子が出演する。

◆笈田(おいだ)ヨシ。1933年(昭8)7月26日、神戸市生まれ。慶大卒業後、文学座に入団。劇団四季を経て、68年にロンドンで舞台出演したのを契機に、活動拠点を海外へ。映画は「最後の忠臣蔵」など、舞台はコクーン歌舞伎「三人吉三」など。パリ在住。07年仏芸術文化勲章オフィシエ受勲、13年仏文化勲章コマンドゥール受章。

◆新津(にいつ)ちせ 2010年(平22)5月23日、東京都生まれ。14年、ミュージカル「ミス・サイゴン」出演。映画は「3月のライオン」など、ドラマはNHK「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」など。CM「きよら グルメ仕立て」シリーズで卵のおふとんを掛けてとねだる「きよニャ」の声も。特技はタップダンス、歌、英語など。