【上海20日=横山慧】乃木坂46堀未央奈(22)が、初主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」(山戸結希監督、28日公開)で「第22回上海国際映画祭」のアジア新人部門・優秀女優賞にノミネートされ、優秀賞授賞式に出席した。現役トップアイドルが、銀幕デビュー作で早くも海外映画祭に進出。「女優・堀未央奈」が、上海で産声を上げた。

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上海の街並みを見つめ、堀は「去年ライブで来ましたけど、1人で来ると不思議な感じです」とつぶやいた。昨年12月、乃木坂46の一員として、グループ初の海外公演を上海で開催していた。「乃木坂にとってもゆかりのある地ですから、うれしいですけど、やっぱりちょっとプレッシャーですね」とほほえんだ。乃木坂46初の映画賞参加、映画賞ノミネート。女優としての一歩を、確実に歩み出した。

映画初出演ながら、山戸監督にも女優としての力を見いだされる形で、主演に抜てきされた。現場では、山戸監督に何度も撮り直しされることもあった。めげることなく立ち向かった。山戸監督からも「カメラを誘う力がある方。自分自身に対して厳しいし、誠実。出す部分も受ける部分も柔軟で、はっきりと女優さんに向かれている方。折れずにこの世界で羽ばたいていくと思います」と絶賛された。

トップアイドルグループの中心メンバーとして活動しながら、人一倍の熱意を持って作品に臨んだ。撮影を通じて、「お芝居を続けていきたい」という思いが強まった。「簡単じゃないですけど、やりがいを感じるし、どんどん挑戦していきたい」。憧れはミラ・ジョボビッチだという。アクションの本場中国での映画賞参加を踏まえ、「陸上やダンスもやってきたので、もちろんアクションにも挑戦したいですし、将来的にはいろんな国の人と交流しながら作品も作ってみたいです」と声を弾ませた。

21日には、アジア新人部門・最優秀女優賞が発表される。受賞すれば日本人初めての快挙だ。「いろんな人がノミネートを喜んでくださったので、来たからにはとりたいな、っていうのもありますけど…プレッシャーですね」と笑った。

◆堀未央奈(ほり・みおな)1996年(平8)10月15日、岐阜県生まれ。愛称「堀ちゃん」「みおな」。13年3月、乃木坂46に2期生として加入。同年11月発売7枚目シングル「バレッタ」でいきなりセンターに抜てきされた。文化放送「レコメン!」水曜日レギュラー。ファッション誌「ar」レギュラーモデル。160センチ。血液型O。

◆「ホットギミック ガールミーツボーイ」 相原実貴氏が05年まで「Betsucomi」(現「ベツコミ」)に連載し、単行本累計450万部以上を販売したコミックが原作。堀は清水尋也(20)板垣瑞生(18)間宮祥太朗(26)演じる男性3人から好意を寄せられる女子高生を演じた。

◆上海国際映画祭 93年から開催。国際映画制作者連盟(FIAPF)公認、世界12大映画祭にも数えられる、アジア最大級の映画祭。最近では16年にコンペティション部門で「団地」の藤山直美(60)が最優秀女優賞、昨年には「わたしたちの家」の清原惟監督がアジア新人映画部門で最優秀監督賞受賞。今年は今月15日から24日まで開催で、邦画59作を含む約500作品が上映される。