本年度のグラミー賞で、史上最年少で6つの賞にノミネートされている注目の米新人シンガー・ソングライター、ビリー・アイリッシュ(18)が、自殺を考えた時期もあったと告白した。

米CBSテレビで23日に放送されたグラミー賞特別番組のインタビューで、昨年はうつ病の渦に巻き込まれていたと告白。「本当にハッピーではなかった。とても不幸で、喜びもありませんでした」と語った。昨年12月に18歳になったアイリッシュだが、「17歳まで生きるとは思っていなかった」という。

17歳で天才新人アーティストとしてスターダムにのし上がったものの、そこには深い孤独が待ち受けていた。友人らも、世界的人気と名声を得たアイリッシュの悩みを理解することはできなかった。

昨年、ベルリンのホテルの部屋に独りきりでいた時のことを振り返り、「そこにある窓から飛び降りたらどうなるのか考えて、泣いていたのを覚えています。死ぬつもりでした」と語った。思いとどまった理由は、母親だったという。

家族のサポートとセラピーのおかげで、現在は立ち直り、同じように苦しんでいるファンに手を差し伸べているというアイリッシュ。「今ではファンの肩をつかんで、“自分を大事にして、優しくしてあげてね。自ら命を絶ったりしないで、もう自分を傷つけないで”と励ましています」と話している。

いよいよ26日に開かれるグラミー賞授賞式では、アルバム・オブ・ザ・イヤー賞、ソング・オブ・ザ・イヤー賞、最優秀新人賞など、計6部門で候補となっており、ライブ演奏も披露する予定となっている。(ニューヨーク=鹿目直子)