94年に90歳で亡くなった13代目片岡仁左衛門さんの二十七回忌法要が28日、東京・池上本門寺で営まれ、息子で3兄弟の片岡我當(85)片岡秀太郎(78)片岡仁左衛門(75)をはじめ、我當の長男進之介(52)、仁左衛門の長男片岡孝太郎(52)と孫の千之助(19)、秀太郎の養子である愛之助(47)が参列した。

仁左衛門は「兄弟そろって法要を執り行えて、父は喜んでくれていると思います」と話した。

「二月大歌舞伎」(2~26日、東京・歌舞伎座)では、二十七回忌追善の演目「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ)」「八陣守護城」「道行故郷の初雪」が上演される。仁左衛門は「芝居が当たることが一番喜んでくれると思う」と、公演への意気込みを語った。

父の思い出を聞かれ、我當は「相撲が好きだった」と振り返り、秀太郎は「汽車が好きで、西村京太郎ミステリーを見て『この時間には駅弁売ってない』なんて言ってました」と笑った。

仁左衛門は「怒った顔を見たことがない。いい思い出しか思い出さない。記憶力がすばらしくて、20年、30年やってないお役でも、ああだった、こうだったと話してくれました」となつかしんだ。

仁左衛門は、追善演目の「菅原伝授手習鑑」では、菅丞相(菅原道真)を演じる。13代目も得意にし、神の域とも称された。仁左衛門は「父が残していってくれたお役を受け継いで、できるだけ父の足元に近づいていきたい」と話し、「父がすばらしいと評されたのは85歳の時で、私はまだ10年ありますから余裕持ってますわ」とにっこり。

仁左衛門、孝太郎、千之助の親子孫3代共演や、我當と進之介の親子共演なども見どころ。

愛之助だけは別公演のため「二月大歌舞伎」には出演できない。愛之助が「さびしゅうございます。心は歌舞伎座に向かってお祈りしています」と言うと、仁左衛門は「一番売れてるから!」と笑っていた。