「ランチの女王」や「ストロベリーナイト」など数多くのドラマや映画で活躍した女優竹内結子さんが27日未明、都内の自宅で急死した。40歳だった。

   ◇   ◇   ◇

竹内さんは共演者はもちろん記者、一般のファンに対しても気遣いの人だった。吉永小百合が初めてプロデューサーを務めた映画「ふしぎな岬の物語」のロケが、14年3月に千葉県南房総市で行われた際、会見のあいさつの第一声は「皆様ご足労いただきまして、ありがとうございます」という取材陣への謝辞だった。

当時、34歳。主演やヒロインを次々と演じ、日本を代表する女優の1人に名を連ねていた。それでも「伝説の方。とても緊張して、同じ作品に出られるんだと思っただけで舞い上がっています」と吉永への尊敬の念を明かした。父役の笹野高史より先に発言を求められると「お父さん、娘が先にいいですか」と断りを入れ、司会にも「どこまで話して良いんでしょうか」とネタバレの範囲の確認もした。

14年10月の初日舞台あいさつでは、客席から「結子さん!!」と声をかけられると「ありがとうございました。すごく手に汗をかいてきた」と吐露。「私の方がテンパってきた。かまないようにと思ったら、かんじゃって」とファンの声援に喜び、緊張のスイッチが入ってしまう一面をみせた。

いつ、どこの現場でも周囲に優しく自分の本音も見せる。だから「結子ちゃん」と呼ばれ、共演者やその関係者まで皆に愛された。【村上幸将】