「浅田家!」「Red」「一度も撃ってません」に出演した俳優妻夫木聡(40)が助演男優賞を受賞した。「浅田家!」では二宮和也(37)演じる主人公の兄役、「Red」では夏帆(29)演じる主人公の元恋人で10年ぶりに再会し不倫相手となる役を好演。「一度も-」では並み居るベテラン役者たちに交じって確かな存在感を示すなど、今年の日本映画シーンに確かな足跡を残した。

妻夫木と「浅田家!」で共演した女優渡辺真起子(52)は助演女優賞を受賞した。

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4年ぶりの同賞受賞に「いやーうれしいですね。やっぱ、何か本当に感謝の気持ちの方が強いですね」。続けて「『浅田家!』に関してはニノ(二宮和也)にアニキにしてもらえただけなので。『Red』も夏帆ちゃんがね。2人が頑張っていてくれたから僕自身も輝いて見えたのかもしれない」と主役2人をたてた。

「浅田家!」では長男役として「家族愛」がテーマの作品作りに大きく貢献。撮影前に二宮と初めて2人でご飯を食べに行った。「ニノはあえてお金を持ってこないで、おごられるっていうことをして。弟として甘えることで、ぼくをアニキにさせてくれるんですよ。そういう彼の優しさをすごく感じました」と振り返った。

実話を基にした作品だった。「(撮影で三重県の)津にいるときは、暇さえあれば(ご本人の)幸宏さんと会っていたかもしれない。結構いっぱいお茶をして何時間も話しちゃいました。本当に優しいお方でした」。

いまや日本映画になくてはならない存在だが「このままでいいやなんて全く思わない。もっともっと貪欲にいろんな役に挑戦して、主役だろうか、端役だろうが、なんでも命をかけて役に挑んでいきたいですね」と誓った。そして「日本映画の泥臭さが大好きなんだよな~。だから日本映画には出続けられる存在でいたいです」とも語った。

30歳で主演男優賞、40歳で助演男優賞を受賞。賞については「ご褒美みたいなもの」と前置きしつつ「50歳の時はちょっとまた、記念でもいいので『頑張ったで賞』的なやつをいただけたら」と笑った。【佐藤成】

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◆妻夫木聡(つまぶき・さとし)1980年(昭55)12月13日、福岡県生まれ。97年ホリプロ主催「超ビッグオーディション」で第1回グランプリ。98年「すばらしい日々」(フジ)で俳優デビュー。01年初主演映画「ウォーターボーイズ」で日本アカデミー賞新人賞。10年「悪人」で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞、日刊スポーツ映画大賞の主演男優賞。16年「怒り」などで同助演男優賞。171センチ。血液型O。

◆浅田家! 写真を撮るのが大好きな政志(二宮和也)は、父(平田満)母(風吹ジュン)兄(妻夫木聡)を巻き込んで、さまざまな職業に扮(ふん)したユニークな家族写真を撮影、大きな賞を受賞した。写真家として軌道に乗り始めたころ、東日本大震災が起こる。被災地では写真洗浄を行うボランティア(菅田将暉、渡辺真起子)らと出会う。中野量太監督。

◆Red 塔子(夏帆)はかつて、勤めていた会社の上司鞍田(妻夫木聡)と不倫関係にあった。その後、結婚し、娘をもうけたが、夫とのコミュニケーションや義父母との同居生活に違和感や戸惑いを覚えている。ある日、鞍田と再会し、鞍田の勤める会社への就職が決まる。三島有紀子監督。

◆「一度も撃ってません」 “伝説のヒットマン”市川進(石橋蓮司)は、バーで旧友のヤメ検石田和行(岸部一徳)や元歌姫玉淀ひかる(桃井かおり)らと酒を交わし、情報交換をして殺しの依頼を受けていた。ただ、実態は売れない小説家で、理想のハードボイルド小説を極めるため物語のリアリティーにこだわり、殺しの依頼をひそかにヒットマン今西友也(妻夫木聡)に頼み、暗殺する状況を取材していた。阪本順治監督。

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▽選考経過・助演男優 「主演作もたくさんあるが、今回は主人公に振り回される役。あえての助演の価値を認めたい。映画に貢献している」(渡辺武信氏)など妻夫木聡を推す声や、「罪の声」をはじめ多数の作品に出演した宇野祥平を評価する声が上がり議論に。2回の投票で決定。

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★昨年「半世界」などで助演男優賞を受賞した渋川清彦(46) 第33回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞受賞おめでとうございます。本来なら顔を見て祝杯をあげたいところですが仕方ありません。妻夫木さんとはまだ1度も一緒に芝居をしていないのでいつかドップリやれる日を楽しみにしています。一緒に日本映画を盛り上げていきましょう。それではご家族共、お身体に気をつけて。