関ジャニ∞が1月15日、京セラドーム大阪で、デビュー18周年記念ドームツアー「18祭(じゅうはっさい)」の千秋楽公演を開催した。

ベテランの域に達しつつある“総合エンターテイナー”5人の言葉には、歴戦のつわもののような説得力が感じられた。

恒例のジャニーズメドレーでは、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」やシブがき隊「スシ食いねェ!」のパロディーアレンジなど、多彩な楽曲を披露。中盤にも、戦隊グループキャラ「エイトレンジャー」としてコントを披露し、女性グループ「キャンジャニ∞」としてスカート姿でパフォーマンス。もちろん王道の歌やダンス、持ち味のバンド演奏でも魅了した。

横山裕(41)は「男性グループがすごく増えている中で、僕らの武器ってなんやろと思ったら、やっぱり『何でもする』じゃないかなって。それが詰まったライブだと思う」とアピール。「何か女性アイドル(キャンジャニ)が出てきたり、めちゃくちゃバンドしたりダンスしたり。悪く言ったら『節操がない』かもわかんないですけど、そこはみんな自信持って『お客さんを楽しませるんだ』って思ってます」と強調した。

ただ“振り幅”が大きいだけではない。ライブで披露したキャンジャニ7年ぶりの新曲「ないわぁ~フォーリンラブ」は、秋元康氏が作詞、ダンサーのTAKAHIROが振り付けを手掛けた。村上信五(41)がラジオ番組で秋元氏と共演したことが、異例のコラボ実現のきっかけだったという。「まさか、了承してもらえるとは思わへんかったです。ラジオの中のサービストークかな、ぐらいやったんですよ。『関ジャニじゃなくてキャンジャニですけど本当にいいですか?』って。面白がっていただけました」と感謝した。

思えば昨年末の「第73回NHK紅白歌合戦」でも、唯一無二の存在感を放っていた。11年連続11回目の出場はジャニーズ勢で最多。リハーサルでは毎年恒例? となった村上の“司会落選”トークで盛り上げた。さらに横山が出演している朝ドラ「舞いあがれ!」や、松本潤(39)大河ドラマ「どうする家康」への公開オファーもして見せ、関係者の爆笑を誘った。

04年に8人組でデビュー。これまで3人の脱退を経験した。前回のドームツアーは19年に6人体制で開催し、千秋楽後に錦戸亮(38)が脱退した。錦戸の脱退が決まった状態で各地をまわっていたが、普段通り振る舞い続けた。村上は「今回は何の隠し事もないというか。全てのエネルギーを注力して、皆さんに楽しんでもらえるという。堂々と立っていられる潔さみたいなものはありますね。神経使ってMCしていましたから」と振り返った。

デビュー前から大阪・松竹座で場数を踏み、試行錯誤しながらモノマネを披露していた時期もあった。大倉忠義(37)は「試行錯誤してもがき続けていたら、こういう総合エンターテインメントができるようになったグループだと思います。これからの時代、こういうグループは現れにくいというか。僕らにしかできないことがすごくあると思う」と胸を張った。

ジャニーズに限らず、男女問わず日々多くのアイドルグループが誕生している。近年はK-POPの台頭もあり、多様化も進む。それでも関ジャニ∞はトップクラスの人気・知名度を誇るグループの1つだろう。デビュー前から積み上げたキャリア、高いプロ意識、活躍の幅広さ…。紆余(うよ)曲折を乗り越えてきた5人が織りなす総合エンターテインメントで、これからも見る者たちを楽しませる。【横山慧】