シンガー・ソングライター大黒摩季(53)が、新プロジェクト「ラテン家の人々」を結成した。
20日、ビルボードライブ横浜で「ラテン家の人々 結成ライブ~ ■Salsa del sol! Vol.1~」を開催。日本のサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」、ブラジル出身のモデル當間ローズ(30)らとともに、ラテンサウンドで盛り上がった。
今回のプロジェクトは、オルケスタ・デ・ラ・ルスが掲げるスローガン「日本ラテン化計画」に大黒が賛同し、新プロジェクトとして「夏はみんなでラテン・ミュージックで解放されよう」と、同じくラテンの貴公子と呼ばれる當間を交え、スタートさせたもの。構想自体は2年前にスタートし、昨年も千葉の海岸で野外ライブなども計画していたが、コロナ禍で実現できず。今回の3アーティスト集まってのレコーディングと配信イベントに切り替えていた。そして、今年初めてのライブ開催に至った。
大黒と言えば、90年代を代表する作品「熱くなれ」や「あなただけ見つめてる」のような8ビートのロック・サウンドを想起するが、同じヒット曲でも「夏が来る」や「いちばん近くにいてね」などは16ビートの効いたラテン・ポップになっている。他にも、「夏が来る…そして」「Lie,Lie,Lie,」など数多くのラテン・サウンドで作られた作品が存在し、最新アルバムでは「ラテン家の人々」をともにするオルケスタ・デ・ラ・ルス、當間と制作した「太陽のサルサ~ ■Salsa del sol!~」が収録されており、元よりラテン・ミュージック自体に対する造詣が深かった。
ライブではまず、大黒がオルケスタ・デ・ラ・ルスのライブアレンジによる大ヒット曲「夏が来る」を歌唱して幕が開けた。ピアノ、ベースに3人のパーカッション、4人のブラスが入る大編成バンドをサポートに、強烈なラテンビードが展開。「夏が来る…そして」とつなげた。
一度、大黒がはけると、オルケスタ・デ・ラ・ルスのステージに。「Salsa Caliente Del Japon」、代表曲「私はピアノ」「真夏に咲いた花」「Salsa No Tiene Frontera」と続き、メンバーのNORA、JINの2人によるパワーみなぎるボーカル、そして熱いダンスは、ラテンのライブは初めてという観客をも即座にラテンビートの世界へ引きずり込んだ。
次は、當間が登場。オルケスタ・デ・ラ・ルスのメンバーをサポートに、大黒摩季がプロデュースし配信リリースされた「AZATO∞RUMBA」を歌唱。そして、ブレイクのきっかけにもなった婚活サバイバル番組中で使用されたバラード「I fell in love」を独特の甘い声で熱唱し、そのラテンの貴公子ぶりは女子の視線を集めた。
最後はドレッドヘアに濃いめのメークを施した大黒が扮(ふん)する「マキータ・ゴメス」が登場。最新アルバムに収録した「ら・ら・ら」のサルサver.で客席と大合唱し、ラテンのリズムさく裂の「Baila! Baila! Baila!」へ続き、真夏のイベントらしい解放感に満ちあふれた。
そして「ラテンの家の人々」のテーマソングとして作った「太陽のサルサ~ ■Salsa del sol!~」では、出演者が勢ぞろいし、ビールのCMでもおなじみの「VOLARE」で締めくくった。
大黒が「ラテンビートは本能と野生をくすぐって、気が付いたら身体がムズムズ、汗だくでスィングして、めちゃくちゃスッキリしちゃう。ラテンは太陽系の解放」と言うように、観客一体となった真夏の夜になった。今プロジェクトは来年も開催予定で、毎年開催を見据えているという。
※■は逆感嘆符