女優多部未華子(34)が、フジテレビ系10月期の連続ドラマ「いちばんすきな花」(木曜午後10時)で同局系連ドラ初主演を務めることが22日、分かった。

多部を含めた4人の主人公が交わる“クワトロ主演”で、主演キャストは追って発表される。社会現象を巻き起こした昨年10月期「silent」でプロデュースを務めた村瀬健氏(49)と脚本家・生方美久氏(30)が再びタッグを組み、“男女の間に友情は成立するのか?”をテーマとした完全オリジナル作品に挑戦する。

主人公の1人、潮ゆくえを演じる多部は「脚本家の生方さんが書くせりふ1つ1つが魅力的で、独特で、そんな印象に残るせりふをわたし自身も発してみたいと思い、今回、参加させていただきたいと思いました。これから自分が演じる役がどうなっていくのか、全てのキャストの行く末が気になります。まだ想像がつきません」と語った。

潮は新潟から上京し、妹と2人で暮らしながら学習塾の講師として働いている女性。多部は役柄について「彼女は自分の本音をなかなか言えず、人に合わせようとして生きてきました。誰かが何げなく言った些細(ささい)な一言が心にずっと残っていたり、自分の本音とは裏腹な態度をとってしまったり。そんなことは誰にでも日常的に起こり得ることですし、同じような思いをしている方は、世の中にたくさんいるんだろうなと思っています。そういう意味で共感しやすいキャラクターだと思います」と語った。

主人公は年齢も性別も全く違う4人男女。ある日、「唯一心を許せた異性の友達が、結婚を機に友達ではなくなってしまった」「結婚を考えていた彼女を、彼女の男友達に奪われた」「友達になりたいだけなのに、異性というだけで勝手に恋愛と捉えられてしまう」「友達の友達もみんな友達と思っていたが、気付けば本音を話せる相手はいなかった」などの出来事に直面し“友情”と“恋愛”に向き合っていく姿を描く。

それまで別々のものだった4人の物語がいつしか重なり合い、1つの物語となっていく。4人の間に生まれる感情、そして4人を取り巻く人々との間に生まれる感情を丁寧に描きつつ、“本当に大切なものは何なのか”が紡ぎ出されていく、新たな時代の“友情”の物語であり、同時に“恋愛”も含めた“愛”の物語。多部は「見てくださる皆さまの心に留まる作品になればうれしいなと思います。頑張ります」と意気込んだ。

▼プロデュース・村瀬健(フジテレビ ドラマ・映画制作部) “男女の間に友情は成立するのか?”…この永遠のテーマをいつかドラマにしたい。ずっとそう思っていました。でも、これは物語化するのが非常に難しいテーマです。生方美久さんと出会い、一緒に『silent』を作ったことで、彼女とならこの難しいテーマを面白いドラマにできるんじゃないか?と思いました。そして“このテーマでやってみませんか?”と提案したところ、想像をはるかに超えるとんでもなく面白い物語を生み出してくれました。

しかも“4人主役”という、これもまた僕がいつか挑戦したいと思っていたアイデアを最高な形で生かした、見たことのない新しいドラマになっています。性別も年齢も境遇も違う男女4人、それぞれの“想い”を丁寧に描きながら、4人の“想い”が交錯することで物語が展開していく、今までにないドラマになっていると思います。

最初に頭に浮かんだ多部未華子さんをお迎えすることができたのは、このドラマにとって最高の幸せです。少女のような可憐(かれん)さを持っていて、なのに大人の冷静さも同時に感じさせる多部さんのあの特別な魅力に強くひかれていました。また、どんな役も納得感のある”共感キャラ”にしてみせる説得力のあるお芝居も素晴らしく、いつかご一緒したい!とずっと思っていました。

“男女の間の友情”というテーマを物語化するのにこれ以上ない方だと思っていたので、オファーを受けてくださった時には、あまりにもうれしくてあからさまにガッツポーズをしてしまいました。多部さんのゆくえさん、僕自身が誰よりも楽しみにしていますし、多部さんだからこそ演じられるゆくえに、きっと多くの方が共感してくださることと思います。

“友情と恋”というのは、誰もが感じたことのある永遠のテーマです。それを、ずっと見ていたくなる愛すべき主人公たちの姿を通して、楽しみながら考えてもらえる、そんなドラマにしたいと思っています。多部未華子さんに加え、これ以上ない最高のキャストの皆さんが、あと3人そろってくださっています。それが一体誰なのか? 予想しながら、楽しみにしていただけたらうれしいです。