一瞬の迷いが、今でも尾を引いている。先日、ラストヘアヌード写真集「Last your…」(双葉社)を発売したタレント三上悠亜さん(30)の出版記念記者会見を取材する機会に恵まれた。会見が和やかに進む中、私は、ある質問を投げかけることを自重してしまった。
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三上さんは各記者からの質問に、終始リラックスモードで答えていった。30歳となった8月16日の誕生日に、セクシー女優を引退した。「16日にたくさんの方にお祝いのメッセージだったり、『引退お疲れさま』というメッセージだったり、直接もSNSを通して、いろんな国の方からいただいた。いろんな方に応援していただいていたんだなと実感させていただいた」と笑顔で語った。
8年間のセクシー女優活動を終えた感想についても、屈託のない笑顔で答えた。「三上悠亜っていう名前、私の存在を知ってもらったのはAVなので。その点では、皆さんと出会えたのはAV女優としての三上悠亜なので。やってよかった。だからこそ、AVで出会った方をこれからも大事にしたい」とけなげに語る三上さんの姿がまぶしかった。
さらに撮影の舞台裏まで語ってくれた。「撮影は基本的につらいです。今だから言えますけど、朝早いし、夜遅いし。最初の10本目ぐらいまで私自身も分かってなかったし、集中力もなくて。恥ずかしいという気持ちが勝っていて。男優さんにも、10本目ぐらいから最近、集中力が上がってきたねって言っていただくことが増えた」と続けた。「集中したら恥ずかしくなくなるものですか」と聞かれた三上は「プロ意識というか。AV女優というものに自分がなると、恥ずかしさはあんまりなくなるかもしれない」と語った。
今後の展開も明かしてくれた。「会社を設立したので、表に出る仕事もそうですけど、裏方としても仕事をしていきたい」。さらに女優業についても「演技はもともとAV女優をやっていたときから、できるだけ入れないでくださいって言っていたから、あまりやらないと思いますけど…」と前置きしながらも「テレビだったり、オファーをいただいているのはすべて受けている。全然NGなしで、オファーがあれば何でもやろうかなと思っています」と前向きな方向性を打ち出した。
薄皮をはがすよう、ていねいに各社が質問していった。当然、私も質問したが、最後の最後で、ある質問をぶつけられなかった。
「自分にとっての最高の1本はどれでしたか?」
自分の中で、この質問はNGだ、という材料を無理やり集めてしまった感がある。そもそも写真集の会見であるため場違いな質問である、こんな質問をしてお前は何を書きたいのだ、せっかく和やかに進行した会見の雰囲気をぶち壊したくない…。一瞬迷った結果、会見は終了してしまった。
仮に質問していたら、どうなっていただろうか。「皆さんの想像にお任せします」だったり、「見る側と演じる側では違うかと思いますが」と言ってくれたり、実際に作品名を挙げてくれたり(さすがにないと思うが)。もしくは質問への返答を拒否されたり。仮に三上さんが質問に答えてくれても、事務所サイドからNGが出て、原稿に使用できなかったかもしれない。そんなことをウジウジ考えるぐらいなら、恥をかいてても質問しておけばよかったと、2週間前の悔恨を今も引きずっている。【高橋洋平】



