テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは17日夜の放送で、高市早苗首相が、台湾有事は集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると国会で答弁したことをめぐり、自国民に対する日本への渡航自粛要請などさまざまな対抗手段を打ち続ける中国について、「日本に対するネガティブイメージを中国国民に植え付ける、ある種の印象操作にも見えます」と指摘した。
今月7日の衆院予算委員会で高市首相がこの発言をした後、中国側は、金杉憲治駐中国大使を未明に呼び出して答弁撤回を求めたほか、中国外務省は日本への渡航自粛を自国民に呼び掛け始めた。今年1月から9月までの中国からの累計旅行客数は約794万人だが、キャンセルも出始めているとされ、好調だったインバウンドへの影響を懸念する声も出始めている。
17日には、外務省の金井正彰アジア大洋州局長が北京を訪れ、18日に中国外務省の幹部と協議する見通しだが、中国側は22日に南アフリカで開幕するG20サミットの場で、李強首相が「日本の指導者と会う予定はない」と機先を制すように述べるなど、現時点では高市首相の中国首脳との会談も見通せない状況だ。
番組では、この日の中国側の反応を含め、日中間の現状を詳報。大越氏は「中国の反発が、いろんなところでエスカレーションしている印象」とした上で、中国外務省が、日本への渡航自粛呼び掛けの理由に「日本の指導者が公然と台湾に関する露骨な挑発を行い、人的交流の雰囲気を著しく悪化させ、在日中国人の安全に重大なリスクをもたらしている」などと一方的に主張していることを踏まえ、「証拠を示すことなく、日本が安全ではないという注意喚起をするというのはどうも穏やかではないと思います」と語った。
ただ、高市首相は国会答弁でも発言撤回に応じない考えを示しており、首相答弁に端を発した日中間の緊張関係は、長期化する見通しが強まっている。
大越氏は「今回の中国側の対応は、日本に対するネガティブイメージを中国国民に植え付ける、ある種の印象操作にも見えます。そこまでやる必要があるのか、という強い疑問を感じます」と述べた上で、「しかし、こういう気難しい大国と、引っ越しのできない隣人として向き合っていかないといけないことも、再確認させられた」とも指摘。「日中関係の再構築は、一定の時間がかかると、腹を決める必要がありそうです」と結んだ。



