着物でアルトサックスを披露する演歌歌手・多岐川舞子(56)が28日、東京・新宿のガルロチで、バースデー記念ライブを開催した。
毎年恒例の誕生日ライブ。「何回目かは忘れましたが、ガルロチは今回で3回目」。新宿は「すごく思い出深い場所。涙も流したし、喜んだ場所」という。今回はこのライブのためにバンドを結成。メンバーは新宿で遊んでいて出会ったミュージシャンたち。「演歌初の人もいるけど、練習してもらって今日がデビューです」。
今年3月、歌の道をすすめてくれた父が他界した。「父がいなければ、今まで歩いてこられなかったというくらい、深すぎる愛情を持って育ててもらった」と振り返った。
10月に発売した新曲「お別れメランコリー」は男女の別れを軽快に歌っている。だが、サザンオールスターズ「愛はスローにちょっとずつ」の歌詞に感銘を受けた。「恋愛の歌なんだけど、亡くなった人への思いがすごく入っていると思って。今回の新曲もこういう感情で歌ってみたいと思って、2番の歌詞に父のことを盛り込んでもらった」。
デモ音源は3月4日に上がった。翌5日、体調を崩し入院した父にベッドで聞いてもらった。「『おっ、いいな!』って言ってくれた」。その4日後、父は旅立った。「新曲は必ず聴いてもらっていたけど、今回の歌が最後に共有した曲になってしまいました」とすると、「本当にどこでもよく来てくれたので、今日も多分、天国から出席してくれているじゃないかなと思います」と言葉をかみしめた。
25年を「こんなに心の振り幅が大きい1年はなかった」と振り返り、「新曲を出すということがあったから頑張れた」という。「必ず見送る日がきたけど、その分いろんな方に助けてもらってありがたかったし、胸に染みた。でも、やっぱり今でも胸が痛いです」と語った。
ライブでは、前半に父との思い出の曲を歌い、後半は新曲はもちろん、同曲歌詞のきっかけにもなったサザンの曲を、キーボードを弾きながらカバー。約1時間半で全15曲のパフォーマンスを披露した。
「着物でアルトサックスは千昌夫さんにもいいと言っていただきましたので、いろんな方に知ってもらうチャンスかなと思います」とすると、「来年はもっともっと認知していただきたい。生で見てもらうとまた違うと思うので、ぜひ生で欲しいです」と意気込んだ。



