数々の演劇が行われてきた大阪松竹座の最後を飾るさよなら公演「御名残五月大歌舞伎」が26日、同所で千穐楽を迎え、103年の歴史に幕を閉じた。

最後の演目となった夜の部「當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)」を終え、カーテンコールでは人間国宝の歌舞伎俳優片岡仁左衛門(82)ら出演者が勢ぞろいであいさつした。

拍手に包まれる中、黒の紋付きはかま姿で登場した仁左衛門は「いろいろお話を考えていたけど、頭が回らん」ととぼけながら、「私以外にも多くの方が驚かれたと思うが、あまりの高額の入場券でお客さまが来ていただけるのかと」と続けて大爆笑を誘った。

それでも、「おかげさまで連日大入り。道頓堀における松竹座の底力を改めて感じることができました」と多くの観客が訪れてくれたことに感謝。「決して今日で終わったわけではございません。必ず、もう一度この道頓堀に松竹座の櫓(やぐら)が上がると確信しております」と力強く言い切った。

最後は「もう一度、この松竹座で皆さまにごあいさつができる日が来ますこと、世界平和、皆さまのご多幸、そして松竹座が一日も早くよみがえりますことを祈念して、大阪締めで締めさせていただきたい」と締めくくった。

観客がスタンディングオベーションで拍手で迎える中、再び幕が上がると、ファンに向けて手ぬぐいを投げ「この拍手は私たちではなく、松竹座に拍手してやってください」と呼びかけていた。

1923年(大12)に道頓堀に建てられた大阪松竹座は老朽化が進み、閉館、解体が決まった。だが、その文化的価値や役割に鑑み、同館を所有、運営する松竹は「新たな文化芸能の発信拠点の実現に向けて取り組んでまいります」として、劇場機能を継続する方向で大阪府・市と協議を続けている。