井川遥(49)が「平場の月」(土井裕泰監督)で主演女優賞を受賞した。29日で節目の50歳になるが「セリフの中で『夢みたいなことよね、ちょっと…』と照れ隠しのセリフがある。今日の私が、そうで…この目の前に広がる、すてきな風景が」と感無量の表情を浮かべた。

井川は、白の着物姿で登壇。「このような素晴らしい賞で大変、光栄。俳優を四半世紀、続けて…。続けられることを想像しなかったですし、結婚、子育てがあり、自分の人生を歩んでいることが多かった。それが、ひだになって役の核になっている。50歳を目前になって、全ての経験がつながっていると思えた」と近田を込めた。

「平場の月」は、発行部数25万部を突破した18年、の朝倉かすみ氏の小説の実写映画化作品。8年ぶりに映画に主演した堺雅人(52)が、吉瀬美智子(51)演じる前妻・上村みづき妻と別れて地元に戻り、印刷会社に再就職した青砥健将を演じた。井川は、青砥が中学生時代に思いを寄せていた須藤葉子を演じた。葉子は夫と死別しパートで生計を立てており、互いに独り身となっていた2人は再会に意気投合。中学生以来、離れていた時を埋めていく物語。

この日は、土井裕泰監督(62)が花束プレゼンターとして登壇。「本当に褒められるべきお仕事をされました。50歳の男女のラブストーリーですが、ビターな物語。途中で病気になって人工肛門(こうもん)を着ける役。覚悟して当事者を取材して臨まれた。俳優として自由になられている感じがする」とたたえた。

井川は「公開を迎え、市井の人が人生を立ち止まるきっかけになったと言っていただいた。人工肛門で生活されている方と初めてお話しして、そうした方の生活にも皆さんの心を寄せてもらえたらと…映画を通して違う役割に感じた」とも語った。司会から、演じた役は演じ終わった後、抜けにくいか? と聞かれると「いつもは子育てが忙しく、強制的にリセットされる。病気の役だったので一筋縄ではいかない。役が頭の中から離れなかった」と振り返った。今後については「人生が映画の中で肉付けになるように精進したい」と語った。