シンガー・ソングライターのEPO(66)が、「EPOコンサートツアー2026~ALL EPO SONGS リクエスト・ライブ~」を開催する。昨年、デビュー45周年を迎え、これまで作り上げてきた作品は300曲以上。昨年の45周年ライブのお返し企画として、ファンからリクエストを募り、これまでライブではほとんど演奏したことがなかった曲が持つ可能性を探ることを楽しみにしている。【阪口孝志】
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デビューから46年。EPOがこれまで作り上げた作品は300曲を超えたが、ライブで演奏されるのは「う・ふ・ふ・ふ」「DOWNTOWN」「土曜の夜はパラダイス」などヒット曲を中心としたごく一部。そこで、5月12日の誕生日前後に行う毎年恒例のバースデー・ビルボードツアーで、これまであまりやったことのない曲をやってみたところ「どっかーんとウケたんですよ」。
思ってもみなかった反響。「私も大発見で、この曲にこんなに空間を動かす力があったんだって。きっとまだまだそういう作品があるはずだと思って、自分ではなかなか思いつかないけど、皆さんの記憶の中にあるあの曲、この曲を1回聞いてみたいなと思ってリクエストを募ることにしました」。45周年ライブのお返しとして東名阪で行う今回のツアーでは、ファンの思い出に残る曲を募ってセットリストを決めることにした。
「きっとそこから私の中にも新しい発見があると思うし、それで楽しかった過去の自分も肯定できる気がする。そういう意味で今回のライブは皆さんへのお礼もあるんだけど、私を喜ばせるためのライブって感じでもあります」。ファンだけでなく自らも楽しみにしている。
20代でヒットを飛ばしたが、当時は「すごく子供だった。人として未熟だった。自我はあっても自分が誰だか分からないまま音楽をやっていたような気がします」。ヒット曲を作ることを求められ「作らないと私はここにいられないんだっていう思い込みをしていて、人に喜ばれるために一生懸命働いていた気がします。じゃ、自分が喜んでたかというと全然そうじゃなくて、どうすればヒット曲が生まれるだろうということばかり考えているから音楽が義務みたいになっちゃって、子供の頃は楽しんで音楽を作っていたのにそうできなくなっちゃった時期だったんですよね。誰が悪いわけでもなく、私の未成熟な心が自分を追い詰めていた気がします」と振り返る。
その後、ロンドンに住んだり、カウンセラーになったりとさまざまな体験をした。「セラピストになる過程で自分の気持ちを癒やしてきて、私ってこういう人間なんだ、あれもこれもやっていいんだってたくさん許可を出し始めたときに自分が誰だかわかり始めた」と世界観が変わった。ヒットを飛ばしまくっていた頃のEPOを知らない20代若者から「昔のEPOさんのことは知らないけど、(アルバムの)『AQUQ NOME』(07年)や『Wica』(92年)から入って、すごくいい音楽だと思ってます」と言われ、「ビックリしたんですね。『どうしてこれを聴くようになったの?』って聞いたら、『父や母が聞いていたんですけど、Wicaをかけるようになって好きになりました』。そういう人が増え始めてすごく増え始めてうれしくて。とても自分が満たされていたときに、いい出会いもあって。だんだん、ポップなEPOをするのが楽しくなってきました」
SNSでシティポップが世界的に注目を集め、EPOの楽曲にも再び注目が集まった。話題になることも増えたが、本人は「80年代にちゃんと音楽を作ってきたから、それがいろんな世代の人に国を超えて聞かれるっていうのは良かったなって思いますね」とおごるところはない。
お笑いにも縁が深い。「DOWNTOWN」は吉本興業創業110周年 特別公演「伝説の一日」で漫才を披露したお笑いコンビ、ダウンタウンの出ばやしに採用された。「土曜の夜はパラダイス」もフジテレビ系「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマだった。「ありがたいですし、うれしいですよ。お笑いも大好きです。いつも笑ってます。ひょうきん族は出てましたしね(笑い)。ベストテンみたいなのに駆り出されたんですけど、笑って歌えない地獄で」と懐かしんだ。
今のミュージックシーンについては「よく分からないんですよ」と正直に話しながらも、「普通に紅白歌合戦も見るし、年末の歌謡大賞みたいな番組は見たりして、この歌はいい曲だなって感動することはあります」
最近感動したのは玉置浩二だという。沖縄で行われたライブを見に行き、「感動してマスクの中がダム状態になったんですよ。人の歌を聴いてあんなに泣いたのは初めてだった」。クラシックのオーケストラをバックに歌う姿に「美しかったし、神々しかったし、愛と痛みみたいなものが伝わって。ビックリしました。もう1回見たい。美しかった。指揮者の方も編曲の方も素晴らしい。クラシックのファンになった。玉置さんは別格ですね」と大興奮だったが、「カバーしてみては?」と振ってみると、「恐れ多くて」と恐縮した。
今後やってみたいことはたくさんあるという。
「いろんなEPOがいる。ポップ、クラシカル、コンテンポラリー…いろんなEPOと同時に成長しているので小さなライブでやることでモチベーションを上げていくようにしていく。それを続けていけば、お客さまも私も満足できる、健康な状態でいられる」
大好きな音楽には「元気でいられたらいつまででもお世話になりたい」と感じている。そのためにも「今がバッチリという感覚を持ち続けながら、タイムラインを未来に移動していけるのが1番いい。目標というより、今を維持しながら未来に進んでいきたい」。リクエストライブでファンと共に元気をチャージするつもりだ。
大阪公演は9月23日、NHK大阪ホール、名古屋公演は同26日、COMTEC PORTBASE、東京公演は同29日、LINE CUBE SHIBUYAで行われる。



