韓国の人気ボーイズグループBTSが、2027年の米音楽界最高峰の栄誉とされるグラミー賞へのエントリーを見送ったことを7月末に発表した。

インスタグラムに揃ってメッセージを投稿し、「地域や言語によって区分されるのではなく、ありのままの姿で聴かれ、愛されることを願っている」と理由を説明している。

同賞を主催する米レコーディング・アカデミーは今年6月、2027年のグラミー賞で韓国、日本、中国などアジア言語を効果的に使用した楽曲を対象とする「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門を新設すると発表したばかりで、それに対する抗議の辞退だとの見方が強まっている。

アジアン・ポップ賞への直接的な言及はないものの、K-POPやJ-POP、C-POPを対象とした新部門の設立について暗に批判した可能性が高く、一部メディアが「グラミー賞ボイコット」と報じるなど波紋が広がっている。ファンの間でも、アジア系アーティストを主要部門から締め出すための手段だとの議論が巻き起こっている。

これを受けてレコーディング・アカデミーのハーヴェイ・メイソン・ジュニア会長は、BTSの参加見送りを残念に思うとしつつもその決断を尊重するとコメント。「アジアン・ポップ賞はアジア発の音楽が持つ深み、多様性、そして驚異的な成長を評価するために新設されたもの」だと説明し、年間最優秀レコード賞や年間最優秀アルバム賞など主要部門の審査対象となることを妨げるものではないとして「アーティストは両方を目指すことが十分可能。二者択一ではない」と改めて強調した。

BTSは2013年のデビュー以来、ビルボード・ミュージック・アワードやアメリカン・ミュージック・アワードなどで数々の賞を受賞するなど大成功を収め、2021年に「Dynamite」がグラミー賞最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門で候補入りしたのを筆頭にこれまで5度ノミネートされている。

今年はおよそ3年半ぶりとなるカムバックアルバム「ARIRANG」をリリースし、全米ヒットチャートで初登場1位を獲得。グラミー賞へのノミネートや受賞が期待されていた。(千歳香奈子)