8月28日に87歳で亡くなった劇団新派の女優水谷八重子さんについて、女優、劇作家渡辺えり(71)が2日までに日刊スポーツの取材に思い出を語った。渡辺は23年6月の舞台「三婆」で新派公演に初参加し、25年にも出演。八重子さん、波乃久里子と共演した。
渡辺は「八重子さんとはお互い音楽が好きということもあって、とても気が合いました。八重子さんは歌われますし、私も音楽をやって歌うので、コンサートにも毎回来てくださいました」と話した。
昨年八重子さんは、母で初代水谷八重子さんをしのぶライブを開催した。「歌がいいんですよ。ハスキーボイスで、原語でジャズを歌ったり。その時は、クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』を歌われたんですが、あまりに良くて泣いちゃいました」。
互いの舞台やコンサートに行くなど交流は続いた。渡辺は「『新作で二人芝居を一緒にやろう』とおっしゃってくださいました」と明かした。実現には至らなかったが「私は八重子さんを小さいころ、NHK『若い季節』(61年~)の時から見ているんです。そんな人に一緒にやろうと言われてびっくりしました」と話した。入院先からも電話をもらい。元気そうな声だったため、訃報には「まさか」の思いだったとした。
八重子さんの魅力について、渡辺は「その場にいるリアリティー。その役にしか見えなくなる。それに百戦錬磨で、どんなことがあっても全部受けてくれました。袖から一生懸命見た八重子さんと久里子さんのやりとり、本当に勉強させていただきました」とした。
渡辺は、脚本、演出、出演のミュージカル「シークレットステージ」稽古真っ最中。「八重子さんは新しい感覚をお持ちで、洋物、和物、歌も歌われた。八重子さんの精神を引き継いで頑張りたい」と語った。【小林千穂】



