歌手渡辺美里(60)が8日、埼玉・所沢市のベルーナドーム(西武ドーム)で公演「スタジアム伝説~復活~Sweet60」を行った。
1985年にデビューし、翌86年に女性ソロ歌手として初のスタジアム公演を「西武球場」(当時)で実施。それから05年まで20年連続という記録を打ち立てた。スタジアム公演といえば渡辺の代名詞。そんな渡辺とファンの“原点”であり“聖地”に人生の節目である還暦を迎えて21年ぶりに戻ってきた。
午後4時。コートが少し恋しくなる気温16度の中、ヒット曲「夏が来た!」でスタート。暦の上では前日の「立冬」から冬になったが、会場を埋める総立ちの約2万8000人の熱気は“夏が来た”ようにヒートアップ。ステージ中央に1人立ち、気持ち良さそうに声を張り上げる渡辺の衣装は還暦らしくジャケット、シャツからパンツまで燃えるような赤色でそろえた。
その後も「すき」「Long Night」とおなじみのヒット曲を続けた。「来ましたね、この日が。全国各地からこんなにたくさんの人に集まっていただいて感激です。積もる話もわんさかありますが、とにかく歌いたい曲がたくさんあるので歌います。皆さんがご存じの曲をお届けします。もし『知らない』と思ったらそれは新曲です」と冗談交じりのトークでも盛り上げた。
渡辺は自身で多くの作品の歌詞を手がけ、まっすぐで前向きな熱いメッセージを長年ファンに届けてきた。昨年に40周年を迎え、力強いボーカルに、包み込むような優しさと円熟味が加わってきている。
“聞く”だけでなく“見て”も楽しめるようにライブ中盤で衣装をブルーに変更。「デビュー翌年にここに立って、21年ぶりに帰って来られるなんて、本当に私は人や楽曲との出会いに恵まれている。こうやって会えるっていいですね。出会いこそ宝物だと思います」。そう言って涙ぐむシーンもあった。
その後も「サマータイム ブルース」や最大のヒット曲「My Revolution」などのなじみの曲を続け、アンコールでは「恋したっていいじゃない」などを歌唱。ファンとの近距離の“出会い”を求めて真っ赤なオープンカーに乗って会場を一周し「隅々まで皆さんの笑顔を確認できました。ありがとうございます」と感謝した。「今日、この場所から新しいストーリーが始まる。いろいろあると思うけど、はいつくばってでも生きて、生きて、生き抜いていきましょう。皆さんが笑顔で過ごせる日々のため、私も潤いの1つとして音楽を作っていきます。今日、満員のスタジアムを見てそう思いました」。
過去20回の公演は7、8月の夏に実施。今回は初めて11月の冬開催だったが、21年という時の移ろいを全く感じさせない、一夜限りの熱い復活ライブでメドレーを含む全22曲を歌いきった。
最後のあいさつで「18歳でデビューして年女です。今日、ここで皆さんからのすばらしい拍手と笑顔をいただいたので、これから日本中を、世界中を駆け巡りたいと思います」とさらなる飛躍を誓った。



