栃木県那須町で夫婦の焼損遺体が見つかった事件の指示役とみられ、死体損壊容疑で逮捕された佐々木光容疑者(28)が「(ある人物から)指示された」と供述していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、佐々木容疑者の背後にさらなる指示役がいるとみて捜査。実行役とみられる2人組の行方も追っている。

佐々木容疑者は「ある人物から4月初めに処理を頼まれた」「報酬は受け取っていない」とも供述。捜査本部は慎重に確認を進めている。夫婦については「知らない」と話しており、夫婦との間に接点が確認されていないことも判明した。捜査本部は佐々木容疑者が持っていた複数台のスマートフォンを押収し、30日に送検した。

夫婦は会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)。捜査本部は佐々木容疑者が平山綾拳容疑者(25)=21日に同容疑で逮捕=に遺体の処理を指示したとみている。平山容疑者と「2~3月に渋谷の店で知り合った。交流サイト(SNS)でやりとりしていた」と供述した。

平山容疑者は佐々木容疑者から16日未明に東京都内の居酒屋で「千数百万円の報酬を受け取った」と話しているが、報酬を受け取った形跡は確認されていない。佐々木容疑者について「怖い人」「遺体の処理を頼まれ、ガソリンなどを指示されて買った」と供述し、処理は「2人組に連絡して依頼した」と説明した。

平山容疑者の車から見つかったハンマーに付着した血痕が幸子さんのものと確認されたことも分かった。凶器とみられる。平山容疑者は居酒屋とは別の場所で出頭前に携帯電話を佐々木容疑者に渡したと話している。

平山容疑者は車を15日夜に2人組に貸した後、16日未明に都内の居酒屋に入店。その後に入った佐々木容疑者と共に店を離れ、外を歩く姿が確認されていた。(共同)