ロシアのプーチン大統領は13日、実効支配する北方領土・択捉島を訪問した。2000年に大統領に就任したプーチン氏が北方領土入りするのは08~12年の首相時代を含めて初めて。ウクライナ侵攻が4年半近くに及ぶ中、欧米と共に制裁を科す日本に反発。軍事化を進める高市政権の強硬姿勢を批判し一線を越えた形だ。領土を巡って妥協しないことを国内外に誇示し、日本の返還要求に応じない姿勢を示した。
高市早苗首相は13日、「北方領土は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土。強く抗議する。断じて許容できない。日本国内の対ロ感情を一層厳しくし、中長期的な関係回復を困難にした」と述べた。茂木敏充外相は、ノズドレフ駐日ロシア大使を外務省に呼んで「強く抗議した」と話した。
ロシア大統領による北方領土訪問は、10年11月にメドベージェフ大統領(当時)がソ連時代を含めて国家元首として初めて国後島を訪れて以来で2人目。択捉島は北方領土で最大の島で、人口約7000人。
ロシア国営テレビは、プーチン氏が択捉島の水産加工場を極東サハリン州のリマレンコ知事らと共に訪問した映像を報じた。学校や病院も視察した。択捉島の島民によると、プーチン氏は13日、同島を離れた。
プーチン氏は択捉島訪問に先立つ12日、サハリンで開かれた太平洋艦隊の軍事演習の会合で、対日関係について詳しく言及。北方領土は第2次大戦の結果としてロシア領になったとの従来の立場を主張し「日本はウクライナでの出来事を口実に、(北大西洋条約機構=NATO=の東方拡大など)紛争原因に深く踏み込まずにロシアに制裁を科した」と批判していた。

