東京・豊島区役所に15日、池袋の幼稚園から高校までの園児、児童、学生を標的とした無差別殺人を行う旨の脅迫予告が届いた。予告には、4月に発生した池袋暴走事故の際、加害者が運転していたトヨタのプリウスを調達、使用して殺人を実行すると書かれており、区は悪質性が高いと判断。警視庁と連携し、最大限の警戒態勢を敷いて対応。閉庁する午後5時15分段階で、区内でトラブルが発生した報告はなかった。

区によると、15日午前5時32分、公式サイトの「区政へのご意見、ご要望」フォームに「池袋周辺でプリウスを使用した無差別殺人事件を実行させていただきます。(中略)子どもを標的とします」との投稿があった。具体的な攻撃場所は明示されておらず、区は目白署、池袋署、巣鴨署と連携し全区体制で警戒した。

豊島区では4月、東池袋でプリウスが暴走して横断歩道に突っこみ、母子が死亡し2歳から90代の男女9人が重軽傷を負う事故が発生。12日には、運転していた旧通産省工業技術院元院長が自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で書類送検されたばかりだった。投稿には「命が惜しい人は早く逃げた方がいい(中略)(元院長)に告ぐ。東大出身の上級国民ごときが調子に乗るな」などと書かれていた。区の関係者は「事故を想起させる投稿は、悪質で許し難い」と憤った。

翌16日は土曜日だが、小学校11校、中学校1校が授業を行うため、区教育委員会は各校に教諭による見守りなどの徹底を指示した。【村上幸将】