13日はお盆の入り。永田町もすっかり夏休みモードだが、安倍晋三首相が夏休みを取れないジレンマに陥っている。新型コロナウイルス感染症対策に当たる側面もあるが、東京都の小池百合子知事が帰省や旅行の自粛を求めており、首相の立場で東京からの移動が難しいことも一因。最近は午前中は私邸で静養し、午後から出勤する「半休スタイル」で、休みモードを感じざるを得ないのが現実だ。

首相は例年、8月10日すぎに地元山口に帰省し、長門市にある安倍家の墓を訪れ、手を合わせてきた。13日は、関門海峡花火大会を昭恵夫人らと鑑賞し帰京。15日の全国戦没者追悼式に参列後は、山梨県内の別荘に移り、ゴルフをするのが「夏休みのルーティン」(自民党関係者)だった。

しかし、今年は花火大会も中止。13日の段階でお国入りも見送られている。13日も首相は午前中は私邸で過ごし、午後から官邸に出勤。コロナなど国内外の課題に対応後、午後6時すぎには官邸を出て、そのまま帰宅した。調子が出ないのか一時よりやつれたとの指摘もあり、体調不安説も根強くささやかれている。

通常国会開会中は休みがなかったとはいえ、6月18日の国会閉会後、官邸での記者会見も開かず、野党の臨時国会召集要求にも応じず、官邸と私邸を往復する首相。話題になったのはアベノマスクからの「脱却」くらいだ。帰省やゴルフの「封印」は、国民の目が気になるためともみられるが、ある自民党関係者は「国民の目を気にしている割には、仕事をしている感が全く見えない…」と嘆いた。