英国の情報機関MI6の元スパイで、トランプ前米大統領とロシアの関係を示す報告書を作成したことで知られるクリストファー・スティール氏が、ロシアのプーチン大統領はかなり深刻な病気だと英スカイニュースに語った。2006年から09年までロシア部門のトップを務め、90年代にはモスクワで3年間スパイ活動をしていたことでも知られるスティール氏は、「何の病気なのかははっきりしていないが、不治の病か、末期状態か、それともなんであれ、そのような状態であることは確かだ」と匿名の情報源の話として語った。

プーチン大統領の健康状態を巡っては、かねてパーキンソン病の疑いが指摘されているが、今月に入ってさまざまな病状がメディアで取り沙汰されている。ウクライナ国務省の情報総局を率いるキリロ・ブダノフ准将は英メディアのインタビューで「がんを含む複数の病気を同時に抱えて深刻な状態」との情報をつかんでいると明かしており、米メディアが入手した大統領府に近いロシア新興財閥オルガルヒと西側投資家との間で交わされた会話の録音音声では血液のがんを患っている可能性に触れている。

MI6に20年近く勤務したスティール氏は、トランプ氏に関する報告書の中で、証拠はないものの売春婦に放尿させて楽しむ様子を隠し撮りされたいわゆる「おしっこテープ」が存在すると主張していたことで知られる。(ロサンゼルス=千歳香奈子)