人馬一体でもぎ取った。10番人気スズハローム(牡6、牧田)が重賞初制覇を決めた。

4角14番手から大外を伸び、頭差だけ差し切った。勝ち時計は1分33秒4。この日唯一の乗り鞍を制した藤懸貴志騎手(33)は21年マーメイドS(シャムロックヒル)以来、重賞2勝目。付きっきりの調教が実を結んだ。今後は安田記念(G1、芝1600メートル、6月7日=東京)を目標にする。

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泥だらけの藤懸騎手が、両手を何度も突き上げた。スズハロームの背から全身を密着させ「いやぁ~! ありがと~!」と大興奮。頭差の接戦を制し「全く分からなかったですが、みんなが勝っていると言ってくれたので本当にうれしかったです。何よりこの子と勝てたことがうれしいですね」と満面の笑みだ。

道中は最後方。4角手前でペースアップしても動じない。直線は大外。ゴール寸前で前へ出た。「最後方と分かっていたけど、流れていたのでどれくらい脚を使ってくれるかだと。大した馬ですね」と信じ切った。24年に重賞2、3着が1度ずつもその後不振に。転機は4走前。コンビ結成が決まった藤懸騎手が密に息を合わせた。前走が2年ぶりの白星。「少し低迷しましたがこの舞台に来られてよかった」とかみしめた。

気性面で難しさがあり、関東圏で走る際に美浦滞在を行ったこともあった。今回は直前輸送を選択。牧田師は「精神的に成長して今は直前で大丈夫です。(昨秋の)休養もいい方に出ました」と目を細める。苦しい日々も無駄じゃない。雨降る中山で、スズハロームが1つの光を見いだした。【桑原幹久】

◆スズハローム ▽父 サトノダイヤモンド▽母 アイライン(ローレルゲレイロ)▽牡6▽馬主 森達郎▽調教師 牧田和弥(栗東)▽生産者 アラキフアーム(北海道新冠町)▽戦績 21戦6勝▽総獲得賞金 1億5485万円▽馬名の由来 冠名+夢(ヘブライ語)