アイスホッケー女子で、世界6位の日本が1次リーグB組を首位で通過した。

最終戦で同7位のチェコと対戦。2-2のまま延長戦でも決着がつかず、ペナルティーショット(PS)戦に突入。PS戦1-0、合計3-2で勝利し、勝ち点を9に伸ばした。4度目の五輪で初となる準々決勝ではA組3位と対戦する。

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GK藤本那菜(32)は勝利が決まると一瞬、間を置いてから腕を突き上げた。最後、チェコ5人目のミルス主将のシュートを防いでも、「もう1本あると思っていた」。しかし、ベンチから、チームメートが、自分に突進してくるのを見て、初めて勝利を認識した。「PSを全て止めることができ、チームを勝ちにつなげられた」と照れた。

2日前の中国戦では、PS戦で敗れた。PS戦敗戦で勝ち点1が加わり、五輪で初めて日本は準々決勝進出が決まった。しかし、「自分では全くダメだった」。同じ思いはしたくない。「集中力の戦い」と振り返り、シュートの本数を忘れるほど、日本の守護神はチェコの猛攻を防いだ。

20年から猛威を振るった新型コロナウイルスのため「対外試合ができなくなった」。海外チームに入り、力をつけようと考えていたが、できなくなった。この2季は所属チームがなく、孤独な戦いが続いた。

その間、「多くの方がサポートしてくれた」。アイスホッケーの選手だった妹奈千さんに、自宅脇につくった専用練習場で、何百本もシュートを打ってもらった。対外試合ができない間は、道内の男子高校生のチームが対戦を買って出てくれた。

元AKB48の小嶋陽菜さんに似ているとネット上で話題となり、「氷上のこじはる」の愛称もついた。「どんな形でも取り上げていただけるのはうれしい」。今大会1次リーグ4試合で浴びたシュートは合計115本。この日は、最も多い38本を打たれたが、決してひるまなかった。