【ミラノ=松本航】前日8日(日本時間9日)の団体銀メダルで表彰台に登壇した日本代表選手のスケート靴のブレード(刃)に刃こぼれが起きていた問題で、日本スケート連盟の竹内洋輔強化部長(46)が経緯を説明した。
表彰台の上面がラバー等でブレードを保護する形になっておらず、石を切り出しざらざらとしたアスファルトのような状態だったという。そのため刃こぼれが起きた。一夜明けた9日午前に専門の工房でリペアを行った。佐藤駿(エームサービス/明治大)のコーチで、研磨のスペシャリストでもある日下匡力氏が担当したという。
竹内強化部長と日下氏は同い年で、互いの現役時代から交流があった。佐藤が五輪代表に選ばれた時点で用具に関するサポートを依頼し、同氏は今大会の最後の種目である女子が終了するまで帯同する形をとっていた。
表彰式に参加した選手のうち、ペアで今回のフィギュア代表最年長33歳の木原龍一(木下グループ)はスペアのスケート靴を履いており、表彰台に上がっても今後の競技に影響がなかったという。
竹内強化部長は「彼なりの経験の中で『スペアの方がいい』という形だったのだと思います」とし、緻密な対策が功を奏した形になったようだ。
日本連盟は国際スケート連盟(ISU)に報告し、日本オリンピック委員会(JOC)を通じて、大会組織委員会に抗議している。
◆ブレード スケート靴に装着する金属の刃で、氷との接地面にあたる部分はエッジと呼ばれる。フィギュアの場合はつま先にギザギザとした部分(トーピック)があり、トーループ、フリップ、ルッツを跳ぶ際に用いられる。ブレードを研ぎ、小さな溝を整えるのが研磨。日下コーチは日大卒業後に現役引退し、埼玉でコーチ業とスケート場のアルバイトを両立していた。当時はリンクに男性コーチが1人で「研磨は俺がやるしかない」と猛勉強。コーチ室に修理キットを常備し、午後9時に指導を終えて靴70足を翌朝までに仕上げたこともある。普段から教え子の佐藤と競技会を転戦する際に、オレンジの小さなスーツケースへ予備のスケート靴、ブレード、工具一式を入れて持ち歩く。

