東京オリンピック(五輪)のマラソンコースを使用したテスト大会「北海道・札幌マラソンフェスティバル」が5日、札幌市内で行われる。

暑さ対策を理由に19年11月、東京から急きょ会場が移された札幌。今回は貴重なリハーサルとなる。ハーフマラソン男子には服部勇馬(27=トヨタ自動車)。女子には前田穂南(24=天満屋)、鈴木亜由子(29=日本郵政グループ)、一山麻緒(23=ワコール)の五輪代表3人が名を連ねた。

大通公園、北海道庁赤れんが庁舎、さっぽろテレビ塔…。見どころ満載といえるコースは、ランナー目線で、どのように映るのか。

前田 「カーブが多かった」というのがあるので、位置取りを確認しながら走りたいと思います。

鈴木 曲がり角も多いですし、そういったところもおさえて走りたいと思います。

一山 割と結構フラットなコースで「カクカクしているコースだな」っていうのが、印象深かったです。

ポイントの1つが20キロ地点の手前にある。場所は札幌の象徴ともいえる北海道大の広大な敷地内。直角の曲がり角が7カ所、立て続けにやってくる。道幅もまちまちで、車がすれ違うことも難しい区間がある。

20年8月、服部は五輪本番と同じ時期に3日間の試走期間を設けた。基本はジョギングのペースだったが、同大学の敷地内に限ってはレースの速さで走ったという。「カクカク」の攻略が大きなテーマに感じた。

「1人で走った時の感想としては、直角のカーブなので、スピードが多少落ちる。出力を下げたり、上げたりするのが、少し苦になるところもありました」

そう素直に明かした上で、テスト大会の重要なミッションを掲げた。

「ただ、実際にレースをする上で、1人で走ることにはあまりならないと思う。集団で走った時にもっと出力を下げたり、上げたりというのは、実際のレースでないと分からない。そういう1人と集団の差も感じられたらと思っています」

今回のハーフマラソンで「カクカク」を通るのは1度きり。だが、本番のフルマラソンでは30キロ手前、40キロ手前と3度も向き合うことになる。

新型コロナウイルスの影響もあり、今大会の海外選手は4カ国6人のみ。そのうち五輪内定者は男女1人ずつにとどまる。服部はコロナ禍の現状を踏まえ「こういった中で走らせていただけることに感謝しています」と口にした。号砲は午前9時50分。貴重な機会は、夏のアドバンテージに変わるはずだ。【松本航】