女子ゴルフの11月30日付世界ランキングが発表され、先週のJLPGAツアー選手権リコー杯で2位の古江彩佳(20=フリー)が順位を2つ上げて14位となった。16位の渋野日向子を抜き、東京オリンピック(五輪)出場圏内の日本勢2番手に浮上。9月までは70~80位台を推移も、同月のデサントレディース東海クラシックでのプロ初優勝など3勝を挙げ、順位が急上昇した。来週はポイント配分の高い全米女子オープン(10日開幕)にも出場予定で、世界の舞台で20歳の新星がさらなる高みを狙う。

   ◇   ◇   ◇

成長著しい古江が、渋野を抜いた。先週のランキングで、15位渋野の1つ下につけ、3週連続優勝を狙ったJLPGAツアー選手権リコー杯では3位の渋野を上回る2位に。今夏に最大68ランク差があった先輩をとらえ、7位の畑岡に次ぐ日本勢2番手に躍り出た。

同ランキングは東京五輪の代表を決める上でも重要で、基本的には各国ランキング上位2人までが出場権を得る。昨年8月以降は畑岡とAIG全英女子オープン優勝などでブレークした渋野が2トップに君臨。続いて昨年賞金女王の鈴木が10位台をキープしながら上位を争っていた。そこに古江が台頭した。

古江は先週のランキング発表後、「チャンスは増えた感じはします。(五輪は)いけたら、うれしいですけど」と控えめに口にしていた。世界ランキングは過去2年間の大会で獲得したポイントを出場競技数(最低40、最大52)で割った平均ポイントで順位を出し、現況がより反映されるよう直近13週の結果を重視、古い大会のポイントは一定割合で減じられる。昨年11月からプロになった古江はここ2年間でまだ29試合の出場。今回の急上昇は直近大会での好成績のほか、ポイントを割る分母が小さいため、多くの試合数をこなす他選手に比べ数字が変動しやすい事情もあった。ポイント配分の多い全米女子オープン(10日開幕)をはじめ、今後の成績次第では渋野らの巻き返しもまだまだあり得る。五輪代表確定まで、残り約7カ月となった。

◆女子ゴルフの五輪出場枠 国際ゴルフ連盟(IGF)が発表する21年6月28日時点の世界ランキングを基にした五輪ゴルフランキングで決定する。出場枠は60人で、基本的には各国のランキング上位2人までを選出。しかし、五輪ゴルフランキングの上位15位までに入れば最大4人まで出場可能となる。ランキングは過去2年間(104週)の大会で獲得したポイントを出場競技数(最低40、最大52)で割った平均ポイントで順位を付け、毎週更新される。現況がより反映されるように直近13週の結果を重視、古い91週のポイントは一定割合で減じられる。ポイント配分は国内よりも海外ツアーの方が多い。