こんにちは。競輪担当の野島成浩(しげひろ)です。わたしの【敢闘門…】第1回は、取手競輪場の話題です。

 新年度になり、やる気満々の方が多いことでしょう。管理棟エリアでも、目を輝かせた青年に会いました。競輪選手会茨城支部長の戸辺裕将が引率していたのは、体格ががっしりとした2人。よく見ると顔がそっくり。「僕らは兄弟。兄の土田栄二です」、「僕は弟の武志です」。

戸辺裕将(左)とともに取手競輪場を訪れた土田栄二(中央)、武志兄弟
戸辺裕将(左)とともに取手競輪場を訪れた土田栄二(中央)、武志兄弟

 2人は5月から競輪学校で115期生として訓練を始めます。栄二(21)は流通経大4年で学業との両立を目指し、武志(18)は高校を卒業したばかり。2人とも陸上競技の短距離に打ち込み、100メートル競走のベストラップは栄二が10秒72、武志は10秒77。鍛え抜いた全身のばねが、適性試験の一発合格の原動力になりました。兄弟で同時に適性試験をパスしたのは、史上初です。

 選手を志したのは、父に連れられ、17年2月に取手で行われたG1全日本選抜を見たのがきっかけ。「決勝は、特に動きが激しくてびっくりしました。将来は師匠の堀内昇さんのように先行で勝負したい」と思いを同じくして、競輪学校の厳しい生活を乗り越える覚悟です。卒業は来年3月で、実戦デビューは7月の予定。活躍する日が待ち遠しいです。強いまなざしで話す2人の姿に、わたしも自然と背筋が伸びて、気合を注入された思いでした。

 見た、聞いた、びっくりした。今後も、競輪にまつわる話を伝えたいと思います。(敬称略)【野島成浩】