【ヤマコウの時は来た!】

 ◆12R:西日本特選 高松宮記念杯が始まった。今年は初日特選4着以内、1予1着の選手が、2日目の白虎賞、青龍賞で戦うというシステムになった。

 これによって、本来の趣旨である東西の最強を決める、というテーマがぼやけてしまった。マンネリを回避するとか、勝ち上がりを多くして(準決2個から4個)、ファンに楽しんでもらいたいなどいろいろあるだろうが、本筋を外れてしまっていないだろうか。

 このレースは近畿5人が並ぶと思ったが、ふたを開けると京都勢と脇本雄太-三谷竜生に分かれることとなった。勝ち上がりが4着までなので5番手では勝機が訪れないといったところか。私もこれでいいと思う。今のライン戦は行きつくところまで行った感がある。誰が一番強いのかというより、どのラインが一番強いのかということになってしまいファンの興味をそいでしまっている。もちろんチャンスをつかむ最低限の脚力はいるが、もっと選手は個を主張していいと思う。

 幸いにも、このレースはダービー以来の実戦となる脇本と深谷知広が対戦する。両者の戦いの根底には、常に先行選手としてどちらが強いのかというテーマがある。特に深谷は、ダービーの初戦で転んでいることもあって脚力の状態は未知数だ。新田祐大や脇本も強いが、本当は深谷ではないのかという気持ちが私にはある。

 この両者の主導権争いに、稲垣裕之は立ち遅れるかもしれない。前方に位置するのは浅井康太と三谷。近畿地区での宮記念杯ということもあって、三谷の方がシビアに攻めるとみた。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)

※ヤマコウの予想印 ◎三谷竜生・○村上義弘・▲浅井康太・☆脇本雄太・△深谷知広