<国際親善試合:日本0-2スイス>◇8日◇スイス・ルガノ

 西野監督は決定力不足と言ったが、決定力不足ではなく実力不足だ。大迫がまともに競れたのは空中戦の1回だけ。本田は動いてはいるものの、パスミスが目立った。ガーナ戦よりも前からプレスをかけたが、ボールを奪えない。アジア相手に通用したものが、FIFAランク6位には通用しないという実力差だ。

 また、DFとGKの連係ミスが出た。3バックとか4バックの問題ではなく、格上の相手だから起きたことだ。選手層も差がある。スイスは途中出場の選手がゴールを決めた。対して武藤はガーナ戦ほどの頑張りが見られず、柴崎はいきなり警告を受ける始末だ。

 2失点はいずれも相手ドリブラーにやられた。最初はファウルで止めるしかなくてPK献上、次は止められずに失点に直結した。スイスを仮想コロンビアとすれば、危機感やネガティブ要素は増えるはずだが…。西野監督は自分の仕事がうまくいっていないとは言えないのだろう。首相が「内閣に危機感を持つ」とは言えないように。(日刊スポーツ評論家)