サッカー現場発

大迫負傷はピンチじゃない 引き出し増やすいい機会

日本代表FW大迫勇也(29=ブレーメン)が、太ももを負傷して戦列離脱した。全治4~6週間。10月10日のモンゴル戦、同15日のタジキスタン戦の22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選2試合は出場できないはずで、回復具合によっては、11月14日のキルギス戦招集も微妙な状況だろう。

森保監督(右)と大迫
森保監督(右)と大迫

絶対的エースFWの不在。日本はピンチなのか? 私が「ピンチじゃない」と言ってもピンとこない人もいるだろうから、今回の2次予選が始まる前の岡田武史氏の言葉を借りると「厳しい戦いと言うけれど、2次予選は厳しくないでしょう」。森保監督は立場上「楽勝」とは言えないだろうけれど、この組み合わせで厳しいと思う人は少ないはず。大迫1人欠いたところで、ピンチにはならないし、仮にスタメン11人を全員入れ替えたとしても、負けることはないはずだ。

「W杯予選は甘くない」とよく耳にするが、むしろ甘く見て果敢にチャレンジした方が良いのではなかろうか。再び3バックを試してみたり、思いっきり東京五輪メンバーでスタメンを組むとか、MF久保をスタメン起用し、0トップを試すのも1つの手だろう。最も難しいといわれる初戦を勝ったわけだから、慣れないことに挑戦する余裕があってもいい。

かつて日本は、W杯直前やW杯本大会で、戦い方を変えたことがいくつかある。98年W杯フランス大会前の親善試合で、それまでの4バックから3バックを試した。10年南ア大会では初めてアンカーを起用し、相手を驚かせた。14年ブラジル大会では、ポゼッションにこだわったザッケローニ監督が一転し、DF吉田を最前線に上げてパワープレーを試みたこともある。

サッカーは、流れや展開、相手によって想定しなかったことが起こりうるスポーツだ。必ずしも最も得意なパターンで戦えるわけではない。相手は日本を研究してくるし、日本のストロングポイントを必死になって消そうとする。だからこそ引き出しは多い方がいい。

大迫の負傷は残念だが、これを機に、森保監督が果敢な決断をしてもいいと、私は思う。【盧載鎭】

◆盧載鎭(ノ・ゼジン)1968年9月8日、ソウル生まれ。88年来日し、96年入社。フェンシング選手の次女に「引き出しを増やせ」と注文しているが、ラグビーW杯の日本-ロシア戦を見て、さらにその気持ちが強くなった。

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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