U-22(22歳以下)日本代表は今日1日、国際親善試合U-22コスタリカ代表戦を行う。6月30日、会場のユアテックスタジアム仙台で公式練習を行った。3月のリオ五輪アジア1次予選以来3カ月ぶりの実戦へ、A代表候補のFW浅野拓磨(20)が初めて1トップで先発。初招集のFW小屋松知哉(20)は途中出場が濃厚となった。全国高校選手権で得点王に輝いた快足コンビが、手倉森監督の仙台凱旋(がいせん)を彩る。

 コスタリカ戦を翌日に控えた戦術練習でスピードスターが共演した。ハリルジャパン招集経験のあるFW浅野が、4-2-3-1システムの1トップで初めて試された一方、小屋松が左MF、浅野がトップ下に入る陣形も確認。2列目の2人がスピードに乗って味方を追い越し、迫力ある連係で何度もゴールに迫った。

 U-20世代から引き上げられた初招集の小屋松は50メートル走5秒8。手倉森ジャパン最速に躍り出て、これまで最速タイの5秒9だった浅野と初めて融合した。縦への速さだけ見れば史上最高クラス。浅野は「2人が同じ動きをせず、スピードを生かし合えれば突破力は高まるはず」と歓迎した。

 2人は肩書の共通点も持つ。浅野は11年度、小屋松は12年度の全国高校選手権で2年生得点王に輝いた。小屋松は「昔のことなんで忘れてました(笑い)。でも(1歳上で)見ていた人なので特徴は分かる。動きを頭に入れて、合わせていきたい」。選手権得点王2人が五輪に同時出場したのは、04年アテネ大会のFW大久保(00年度得点王)とFW平山(同02、03年度)しかいない。「自分たちもそうなればいいですが、まずは短期間でアピールしないと」と小屋松は続けた。

 まだ知名度の低いU-22代表の中でも、選手権得点王の名前はファンも記憶している。浅野は「世代が下の小屋松とは絡んだばかりなので、これから話し合って2人で得点に絡めれば。負けたくない思いも力に変える」。国内の高校NO・1から世界へ、長い長いステップアップの第1歩が仙台から始まる。【木下淳】

 ◆04年アテネ五輪の大久保と平山 全国高校選手権の得点王が2人同時に五輪のピッチに立った唯一のケース。予選突破を決めた04年3月18日のアジア最終予選UAE戦(3-0)でそろって先発出場し、大久保が2得点と威厳を見せた。本大会は1次リーグ初戦(8月12日パラグアイ戦)で大久保はフル出場、平山は後半29分に投入された。その7分後に大久保が得点も、試合は3-4で敗れた。