【エドモントン(カナダ)6月29日(日本時間同30日)=鎌田直秀】なでしこジャパンFW大野忍(31=INAC神戸)が、7月1日(同2日)の準決勝イングランド戦に「負ける要素なし」を強調した。昨年はイングランドのアーセナル所属だったため、相手選手の特徴を熟知している。過去1度も勝利したことはないが、チーム内で大野の情報を共有化しながら、2大会連続の決勝進出を目指し、イングランド代表の分析をした。

 身長156センチと小柄な大野の姿が大きく見えた。

 大野 オランダとかオーストラリアのFWの方が速い気がする。自分たちがやることさえやっていれば、大丈夫だと思う。今、このチームだったら負ける要素がない。

 過去2分け2敗。初優勝した11年W杯ドイツ大会でも唯一の黒星を喫した。07年W杯中国大会を含め、過去3戦に出場した大野のイングランド分析には明確な根拠がある。出場が予想されるGKチェンバレンら、昨季所属したアーセナルの同僚5人がイングランド代表メンバーに名を連ねる。全23人が国内所属のため、対戦経験のある選手がほとんどだ。

 大野 W杯ではやられていますけれど、あの時とは状況も選手も違う。今はみんなに危機感もあるし、誰が出てもいいように準備できている。気持ちでも負けない。みんなにも選手の特徴はミーティングで伝えています。

 大野は30歳を迎えても成長できた英国での1年間に感謝している。

 大野 自分に一番足りないのは、クロスを合わせる得点だった。小さい自分が、大きな相手にどうすればいいのか。それを学びたかったし、イメージを体に染みこませて帰ってこられた。イングランドとやった時こそ恩返ししてやりますよ。

 ムードメーカー大野のゴールで連覇への勢いは加速する。