【ダカール27日(日本時間28日)=木下淳、松本愛香通信員】ワールドカップ・ロシア大会の1次リーグ第2戦(6月24日、エカテリンブルク)で、日本が対戦するセネガルに潜入した。リゾート地サリーで始まった国内合宿に、大統領宮殿での国旗授与式、壮行の公開練習などに密着。初出場で8強入りした02年日韓大会以来16年ぶりの出場に沸く同国の盛り上がりを体感した。
第2戦の相手セネガルの近況を探るべく、アフリカ大陸最西端へ飛んだ。東京から約1万4000キロ、フライトは片道36時間。砂ぼこり舞う首都ダカールの気温は、昼間でも20度台で日本より涼しかった。フランス語圏の街を歩けば声をかけられる。「セネガル、ガニエ(勝利)」。どこかで聞いたことのある言葉だ。
同国は18日にW杯メンバー23人を発表。日本と同じ21日から、ダカール南東2時間の保養地サリーで国内合宿を始めた。欧州CLの決勝に進んだFWマネ以外の全選手が集結。練習後、クリバリに質問すると無言だったが、スポンサー会合に潜入すると、関係者と思われたのか取材し放題。FW本田を「日本の象徴だ。セリエAで何度も戦ったが左足は強烈」と警戒した。日本の23人決定は31日と聞いたFWソウも「ホンダ、カガワが外れてくれたらラッキー」とウインクした。
24日に大統領宮殿で行われた国旗授与式にも潜り込んだ。初出場ベスト8の02年以来のW杯とあり、国民の尊敬を集めるサル大統領がチームを招いた。大統領府に取材申請し、二重の身分確認を突破。警備をかいくぐり大統領を直撃すると、こちらの手を両手で包み「日本は偉大です。敬意を表したい」。両国の試合は現地観戦する予定といい「安倍首相とユニホームを交換したい。日本とセネガルの幸運を祈りますが、我々は(8強より)遠くへ行くつもり」。気高き口調で国民の期待を代弁した。
25日は、6万人収容のスタッド・レオポール・セダール・サンゴールで練習が公開された。9対9+フリーマンの“壮行試合”を半面で行い、3月の親善試合で試した3バックではなく4バックを披露。ラマダン(断食月)中だが、水分は確保していた。医療系を中心に4人のフランス人と1人のベルギー人が入閣していたことも判明。終了後はファンがピッチになだれ込み、お祭り騒ぎとなった。
02年W杯で主将MFだったシセ監督は「感動的」と興奮。しかし、約束していた記者会見を急きょ中止にするなど本番モードに突入した。26日にはマネが欧州CL決勝で得点。敗れはしたが、街は沸騰した。アメリカンフットボールで盛り上がる日本と対照的に、テランガ(おもてなし)のライオンと呼ばれるセネガルがその謙虚さを隠せないほどW杯熱が高まっている。

