やはり「10番」は香川真司で不動だった。日本サッカー協会が20日、国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(22日、日産ス)ボリビア戦(26日、ノエスタ)に臨む日本代表メンバーの背番号を発表し、注目のエースナンバー「10」はMF香川真司(30=ベシクタシュ)に落ち着いた。MF中島翔哉(24=アルドハイル)は8番だった。

21歳だった11年アジア杯カタール大会から背負い、14年W杯ブラジル大会、18年W杯ロシア大会も重責を担ってきた香川が、ロシア以来約9カ月ぶりに復帰。不在だった間、昨年9月の森保ジャパン初陣以降は中島が託されていたが、今回初めて同時招集。中島が負傷離脱した今年のアジア杯UAE大会で預かっていたMF乾貴士(30=アラベス)も選ばれたため、ゆくえが話題になっていた。

一方で、ほぼ一騎打ちとなっていた香川と中島ともに自然体だった。香川は合宿初日の18日に取材対応し、「聞かれると思った」とまず笑わせた上で「番号でプレーするわけじゃない。もちろん10番は自分にとって誇りだけど、誰が決めるか分からないし、僕にもどうなるか分からないので。皆さん、楽しみに」と穏やかだった。中島も19日の練習後に「前から言ってますけど、こだわっていない。番号はただの番号。それよりも、いいプレーをすることが大事」と強調していた。

森保監督も「(日本協会に)任せています。私は関与していません。その話題で興味を持ってもらえればいい」と期待感をあおり、日本協会の担当者が関係各所と最終調整。その発表日が、慣例通り試合2日前のこの日だった。

フレッシュで超攻撃的な中島も魅力だが、人気、実績を考えれば香川で妥当だ。昨夏はジンクスも破っている。W杯に日本が初出場した98年フランス大会以降、背番号10が先発した試合は1分け7敗と未勝利だったが、ロシアで香川が先発し、得点し、勝利も収めた初めての10番になった。若返った代表がさらなる高みを目指す中、けん引役として期待される香川の10番を変更する必要性もなかったとみられる。