6月開幕の南米選手権ブラジル大会に参戦する日本のA代表に、U-20代表から主力3人が飛び級で招集されることが5日、分かった。FC東京MF久保建英(17)鹿島アントラーズMF安部裕葵(20)サンフレッチェ広島GK大迫敬介(19)で、個別交渉の末に本人とクラブが了承。A代表初選出とU-20ワールドカップ(W杯)ポーランド大会の回避が内定した。それぞれ20歳以下で「エース」「司令塔」「守護神」と呼ばれる主軸。先月から南米派遣の打診を受けており、大会上位を目指すU-20と高いレベルで成長させたいA代表の間で綱引きになっていた。

この日、J2東京V-長崎が行われた味スタにA代表の森保監督と参謀の横内コーチ、日本協会の関塚技術委員長、山本副委員長が集結した。森保監督は横浜、関塚委員長は町田から視察先を変更しており、メンバー振り分けの“最終会議”が開かれた。

3選手は当初、7日に発表されるU-20W杯メンバーに名を連ねることが既定路線で、出場も熱望していた。しかし「日本サッカー界の宝である選手たちを伸ばす環境づくり」を最優先したい森保監督の意向を受け、日本協会が最上位カテゴリーへの引き上げを調整。この日、クラブからの内諾が報告された。

バルセロナの下部組織で育った久保は、17歳ながらJ1で首位を走る東京の原動力に。6月4日に18歳の誕生日を迎えるため、南米選手権で市川大祐(17歳322日)に次ぐ年少出場記録を樹立することが確実になった。安部は19歳で鹿島の背番号10を託され、U-20W杯でも10番を背負う予定だったアタッカー。大迫は広島で開幕から全10試合にフル出場し、第2節から5戦連続完封と半端ない堅守でA代表に上り詰めた。