日本サッカー協会は20日、女子日本代表「なでしこジャパン」の国際親善試合カナダ戦(10月6日、アイスタ)に臨むメンバー24人を発表した。

6月のW杯フランス大会メンバーから惜しくも落選したFW田中美南(25=日テレ)が今年1月から2月にかけて行われた国内強化合宿以来、約8カ月ぶりに復帰。この日、夕方に行われたクラブの練習後に代表再定着への意気込みを語った。

田中は久しぶりに届いた吉報に「友達や家族、支えてくださっている方々から祝福の連絡をもらいました。うれしいですけど、ここからだなという思いの方が強いです」と表情を引き締めた。

国内最高峰のなでしこリーグでは、16年から3年連続の得点王。昨季はリーグMVPにも輝いた。代表でも16年4月からの高倉麻子監督体制では主力として招集され続けていたが、今年1月から2月にかけて行われた国内強化合宿に招集されて以降は声がかからず。目標としていたW杯という大舞台への出場もかなえることができなかった。

高倉監督はW杯メンバー発表後、田中の落選について「代表で戦う時に彼女に求めること、ボールをおさめてチャンスを作り出していくところに少し物足りなさを感じる部分がありました。いろんな選手と組んで、流れの中でも私の求めるパフォーマンスが出なかったので、今回の代表の中には名前が入ってこなかったということ」と説明していた。

代表チームがフランスで戦う最中も、田中は悔しさをバネに日テレの一員としてカップ戦などで奮闘。ひたむきに女王チームをけん引した。リーグ戦でも得点を重ね、今季もここまで15得点を挙げて得点ランク首位に立つ。代表発表直前の16日のリーグ戦では、高倉監督の見守る中、4得点を挙げてチームの5-0の勝利に貢献した。

この日の会見で高倉監督は「最近のリーグを見ても、プレーの幅が広がっていると感じた。顔つきを見ても、本当に前向きに自分自身に矢印を向けて努力をしていることが見える」と田中の変化について口にし「またチャンスを与えたいと強く思った」と話した。

今回の代表復帰について田中は「自分はやるべきことはやってきたし、これで入らなかったらしょうがないなという感じでした」と正直な気持ちを明かした。今回の招集は24人だが、メダル獲得を目指す来年の東京五輪の代表枠は18人。今後も争いは続くが「やることは変わらない。FWなので結果を一番に求めていく中で、味方を生かしたり、今までなかった形をみせていけたらと思います」と意気込んだ。

今回は日テレから最多11人が選出され、田中のほか、W杯ではサポートメンバーとなって落選していたFW宮沢ひなた(19)や、昨夏の米国遠征でA代表に初選出されていたDF土光真代(23)も約1年ぶりに復帰を果たした。

土光は「まだまだ足りない部分ばかりなので、その中で選んでもらえたのは、ベレーザにいたからというのもあると思うので、合宿でしっかりみせられるように頑張りたい」と力を込めた。所属する日テレではセンターバックとして最終ラインからのビルドアップなどで持ち味を発揮。代表でも「センターバックでアピールしたい」と話し「守備は一番は守ることが大事。そこでしっかり強さを出して、プラスで攻撃面で違いをみせられたら」と意気込んだ。